名古屋を出発した 特別チンドコ列車は  夜の東海道をドラフト音も高らかに 西下 かな

 

岐阜 大垣 関ケ原を トコトコ打ちすぎて  夜明けに 米原へと到着

 

右手に 琵琶湖を遠く望み 彦根 安土 近江八幡 

 

近江八景を車窓から 楽しむとしましょう

 

 

うさ子         あちきは 紫式部でごじゃるぞよ

はな            おばはん お前また何ぞへんなもん 拾い喰いしたんか

うさ子     ほっほっほっほ 何を言ってごじゃるのかな

 

うさ     ミミさん やっぱりチトおかしいでっせ

ミミ     ほっとき ほっとき いつもの事でしょ

れおん    でも またどうして紫式ブウ なんですか

源三     そうでしょ 昨日まで 飲んだくれの  ピッピ魔だったんですよ

はな     そんなん うちにもよう分からんでぇ どうせすぐに飽きるやろ

うさ子    わらわは 石山寺へとまいりますゆえ

れおん    でも あの喋り方 ちょっと変ですよ

はな      みとってみ そろそろ舌噛みよるさかい

うさ子     それでは ほっほっほっ・・・・・・・・・

          いででででーーーーーーーーーーーーーー 

はな       ほらみてみい いわんこっちゃ無いやろ

うさ      ありゃぁ 師匠 口の周り 血ィだらけでっせ

ミミ       田舎のおばはんのくせに 慣れん事するからですよ

 

 

        鉄道唱歌 第1集 東海道編

 

     
   39     いよいよ近く馴れくるは              

       

        近江の海の波のいろ        

        その八景を居ながらに      

        見てゆく旅の楽しさよ      



鉄道唱歌では この後40番~43番まで 近江八景を詠んでいます


    40   瀬田の長橋 横に見て        

        ゆけば石山観世音           

        紫式部が筆のあと          

        のこすはここよ月の夜に   


瀬田の夕照     せたのせきしょう


戦国時代 天下取りを目指す武将たちの交通の要となったのは 瀬田の唐橋です

夕日に輝く 唐橋の欄干と川面に反射する日の光の美しさ


 

石山寺

所在地    滋賀県大津市石山寺1-1-1

位置     北緯34度57分37.51秒 東経135度54分20.25秒

山号     石光山

宗派     東寺真言宗

本尊     如意輪観音

創建年    天平19年(747年)

開基     良弁、聖武天皇(勅願)

札所等    西国三十三箇所13番

       
江州三十三観音1番

        近江三十三観音3番

文化財    本堂、多宝塔、釈摩訶衍論他9件(国宝)

        
東大門、鐘楼他(重要文化財)

        珪灰石(国の天然記念物)


紫式部が石山寺に籠り 書き上げたのは皆さんご存知の 源氏物語です



石山の秋月     いしやまのしゅうげつ



石山寺の伽藍山に中秋の名月が昇る情景 で 近江八景の一つです

ここで初めて月見を始めたのは 後白河法皇で

 

今も瀬田川が見渡せる月見亭が残っています


近江八景を広く知らしめたのは 歌川広重の画 「近江八景」です


    41   粟津の松にこととえば         


        答えがおなる風の声        

        朝日将軍義仲の              

        ほろびし深田は何かたぞ         



粟津の晴嵐     あわづのせいらん



膳所から石山までの松並木を湖上から吹き寄せる風が渡っていく情景

朝日将軍義仲とは 源  義仲 の事 近江の国 粟津の 粟津の戦で討ち死にしました



    42  比良の高嶺は雪ならで       
       

        花なす雲にかくれたり        

        矢走にいそぐ舟の帆も     

        みえてにぎわう波の上      


比良の暮雪     ひらのぼせつ



琵琶湖の西に1000mを越す山々が連なる 比良山系

滋賀県ではいちはやく雪化粧する姿が見られます

冬の朝日に染まる景観は美しく見るものの心を捉えて離しません

春先に吹く 比良八荒 と呼ばれる強い風は

恋人の元へと通う娘の舟が その風によって沈んでしまったという伝説があります


八橋の帰帆      やばせのきはん



矢走(八橋)は対岸の大津石場との渡し舟の発着場として栄えたところ

現在は人工の 帰帆島 が整備され 昔の面影はありませんが

島の奥の入り江には 釣り船や和船が見られ 当時の風情を垣間見る事が出来ます



      43  堅田におつる雁がねの     


          たえまに響く三井の鐘      

   
                              夕ぐれさむき唐崎の        

          松には雨のかかるらん    


堅田の落雁     かただのらくがん



湖上に突き出た浮御堂 冬になると多くの渡り鳥がその周辺に飛来します

湖上に舞い降りる雁と浮御堂を描いた広重の画

芭蕉が句を詠むなど 詩情あふれるその情景が 画や歌 で表されています


三井の晩鐘     みいのばんしょう



遠くから響いてくる 三井寺の鐘の音の様


円城寺 (三井寺)

所在地     滋賀県大津市園城寺町246


位置      北緯35度0分48.09秒 東経135度51分10.26秒


山号      長等山(ながらさん)


宗派      天台寺門宗


寺格      総本山


本尊      弥勒菩薩


創建年     7世紀


開基      大友与多王


別称      三井寺


札所等       西国三十三箇所14番


        西国薬師四十九霊場48番(別所・水観寺)


        近江三十三観音5番


文化財        金堂、絹本著色不動明王像(黄不動)他8件(国宝)

                     梵鐘他(重要文化財)


天智・弘文・天武天皇の勅願により、弘文天皇の皇子・大友与多王が田園城邑を投じて建立され、天武天皇より「園城(おんじょう)」の勅額を賜わり、「長等山園城寺」と称したのにはじまります。俗に「三井寺」と呼ばれるのは、天智・天武・持統天皇の産湯に用いられた霊泉があり、「御井(みい)の寺」の厳儀・三部潅頂の法水に用いられたことに由来します。


唐崎の夜雨     からさきのやう


唐崎神社

所在地     滋賀県大津市唐崎1-7-1


位置      北緯35度02分50.6秒 東経135度52分27.3秒


主祭神     女別当命


社格等     日吉大社摂社


創建      持統天皇11年(697年)


例祭        4月28日・10月28日


主な神事    御手洗祭(7月28日・29日)


唐崎神社は、いにしえより天皇がみそぎを行う朝廷の七瀬祓所(ななせのはらいしょ)の一つに定められていた由緒ある社です。天智7(668)年、大和の三輪神社を坂本の日吉大社へ勧請する道中、この地に古くからあった松に神が移り、松の正面に社殿ができたのが始まりと伝えられています。現在、湖畔に大きく突き出した敷地いっぱいに枝を広げる「唐崎の松」は三代目。樹齢は150~200年と推定されています

汽車の窓より 近江八景を見つつ 旅を楽しまれる うさっ娘達

特別チンドコ列車は 近江の里を走り行き 京の都へと向かいます・・・・・・ が


機関士      逢坂山隋道 進入

 

 

      44   むかしながらの山ざくら     

           におうところや志賀の里   

           都のあとは知らねども    

           逢坂山はそのままに      


滋賀県と京都府を結ぶ 逢坂山隋道は専用機関車を使う 勾配のきつい難所でした

(東海道線のルートが変更になった現在は東山隋道を使用しています)


隋道をぬけた列車は一路 京都へと向かいます

ルート変更まで 東海道本線は 馬場(膳所)から山科の南を廻り 稲荷(現 奈良線)を通り京都へ向かっていました



      45  大石良雄が山科の       

         その隠家はあともなし    

          

         赤き鳥居の神さびて      

         立つは伏見の稲荷山      


大石 良雄(おおいし よしお/よしたか)は 播磨国赤穂藩の筆頭家老 元禄赤穂事件で名を上げ これを題材とした忠臣蔵で有名になった 内蔵助(くらのすけ 内藏助)は通称であり 内蔵寮の次官のことである 諱は良雄 本姓は藤原氏


伏見稲荷大社

所在地      京都市伏見区深草藪之内町68


位置       北緯34度58分01秒 東経135度46分23秒


主祭神      宇迦之御魂大神


社格等      式内社(名神大)・二十二社・官幣大社


創建       和銅年間(708~715年)


本殿の様式    流造


札所等       神仏霊場 巡拝の道123番


例祭         5月3日

 

 

目指す 京都は目の前に

 

ミミ     アホな事言うたらあきまへんで 通過ですからね  通過

 

うさ     夜行列車の旅は 体にこたえまんな

 

うさ子    そうじゃのう 年寄りにはこたえるわい

 

はな     こんな達者な 年寄りどこにおるねんな

 

れおん    そうですよ 王寺で積み込んだ 酒 スッカラカンですよ

 

ごま      あればあるほど 飲むんですから

 

源三      あれっ 京都の手前で 止まったきり動きませんよ

 

うさ子     こりゃあ 機関士 はよ動かさんかい

 

機関士     信号が 赤のままでんねん

 

うさ子      赤でも 構わん 進むんじゃ

 

機関士      運転指令  こんな事 言うてまっせ

 

運転指令       ほっとけ 京都には進入させんわ  ぶぁかめぇ

 

うさ      師匠 運転指令にバカ扱いされていまっせ

 

うさ子     そうじゃのう こういう悪い事いう輩は お仕置きじゃのう

 

うさ      ほな 一発 お見舞いしまひょか

 

うさ子     いいや まだあれ使てないやろ 一番後ろのやつ

 

うさ      ほな お見舞いしたりまひょか

 

うさ子     目標  運転指令!!!

 

うさ      ていっ

 

どっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん

 

れおん     あーー  新幹線ホームに

 

ミミ      のぞみ 吹っ飛んだでしょ

 

子うさぎ    お母ちゃん 戦争か

 

源三      子供 ビックリしていますやん 

 

うさ      師匠 ロシア語表記さっぱり解りまへんで 

 

                        ヘタしたら こっちが危ないでっせ

 

うさ子     こんな危ないのは 京都に寄付じゃ

 

             それより 機関士  今のうちに 入線せい

 

嫌がる機関士  しかし この惨事に乗じて無理矢理 京都駅に雪崩れ込ませ

 

はな       やっと 京都に着いたな

 

うさ        師匠 今晩は 祇園で ぱぁーーっと いきまひょ

 

うさ子       そうじゃのう  当分は来れんから壮行会してもらわんとのう

 

ごま         何が 壮行会ですのん

 

 

やっとこさ 京都に到着した 御一行様

 

明日からは地獄の山陰路  道中 ワニの攻撃  砂漠の砂嵐   

 

大蛇が待ち受ける「出雲の阿国」への 過酷な旅が始まるのです

 

うさっ娘軍団の運命やいかに

 

ミミ     オッサン 何 大袈裟な予告していますんや

 

ごま     そうですよ こんなん書いたら 

 

                             鳥取 島根 未開の地と勘違いされるでしょ

 

 

それじゃあまた 逢えたらいいね

 

                 うさうさ うさ子