同じ市内で働いている養護教諭から「やめたいと思っている」と相談されたので
ネットで「養護教諭 辞めたい」と検索したら自分の記事がヒットした(苦笑)
久しぶりに開いてみたら、この記事にコメントいただいていたのに気がつかず、お返事をしていないことがわかった。
ただ、いまさらコメントを返しても気がつかないかもしれないし
もしかしたら・・・
すでにやめてしまっているかもしれないので、あらためて自分で自分に聞いてみることにした。
「あの時の自分に声をかけるとしたら何というか・・・」
今言えるとしたら、
「転勤してみたら??」
だと思う。(実際、相談された人にもそう伝えた)
不登校の生徒も同じだけれど、つらい環境におかれていると、永遠にこの状態が続くような気がしてしまい
未来に希望をもてずに、辞めたくなってしまう。
ただ、公立の養護教諭には「転勤」というものがあり、環境を変えることができる。
実際わたしもこの仕事に戻ってきてから3校目だけれど、行く先々で、居心地がいいこともあれば悪いこともあるし
同じ学校でも、周りの人が入れかわることで(校長や教頭がかわることで)全く別の学校になってしまうこともある。
保護者についても、地域性って大きいなって思う今日この頃・・・
正直辞めるのは簡単だけど(退職希望と書けばいいだけ)戻るのは大変だし
女性の職業としては、環境的に恵まれているから、
「とりあえず転勤してみて、それでも無理と思ったら辞めたら?」というと思う。
本当なら「ほかの人に相談してごらんよ!」と言いたいところだけど
あの時の私には、相談できる先輩養護教諭もいなかった。
当時は、あんなにすごいクレーマーの地域や保護者はいなかったから、友だちに言ってもわかってもらえなかったし
学年などで守られている他の先生たちにもわかってもらえなかったし
なによりも・・・
わたしが他の人の言葉を聞くことができない人間だったから(苦笑)
相談しても、引き止められても、辞めちゃっただろうなあ・・・って思う。
それに、辞めてみて
いろいろなところを通ってみたからこその今の「わたし」がいるので
辞めること自体を否定はしない。
一度やめたからこそ、「やめたい」という先生たちのつらさもわかるし
「私なんて一度、本当にやめちゃったからね~~」という私の言葉は
やめたいくらいつらい思いをしている先生たちに響くみたいだしね。
そもそも「やめたって、戻りたくなったら戻れるよ!」という実績?は
「いやならやめたっていいんだ!」という心の逃げ道になって、強くなれる。
実際、コロナ禍で大学を卒業してすぐ、産休育休代替をしていた隣の小学校の養護教諭が
いろいろなことがあって、任期満了前に退職したんだけど、
退職する報告をしてもらったときそういう話をしていたら・・・
数年後採用試験に受かって、隣の市の養護教諭として復活していた。
うれしくなって、出張帰りに一緒にお茶して話を聞いたら、すごくパワーアップして強くなっていた。
「あのときKUMAKOさんにいろいろ話聞いてもらってよかったです。」
そういわれたけれど、
退職まで10年になって考えることは
継承というか、若い養護教諭の先生たちを支えたり、育てたり、道筋をつけてあげることが
ベテランの仕事だなってこと。
各校基本1人しかいなかったりするつらさ
逆に合わない人と複数を組むつらさ
どちらも経験しているからこそ、アドバイスもできるし
世渡りの仕方、自分は悪くなくても「心の中では悪態つきながら?)あやまって丸く収めるスキル(笑)」も教えてあげられる。
私が養護教諭をやめたときに比べると、保護者対応については「最先端」だったからあまりかわらないけれど
仕事の内容と複雑さ、その仕事量については比べ物にならないくらい大変だ。
しかも、他の先生たちのように先輩のやり方を見て学ぶというのは、養護教諭は難しい。
(複数で組んだ人、ベテランが必ずしも、仕事ができるとは限らないし・・・)
公の研修会はきれいごと?ばかりで、
たとえば保護者からのクレーム対応についてなんて教えてくれないし
理不尽だったり、頼りにならない管理職の場合はどうしたらいいかも教えてくれない。
仕事できない担任の取説も教えてくれないし、保健室登校の子供や保護者の対応についても教えてくれない。
やれと言われることは多くなり、複雑化しているのに
その対応は「個々の研修」にゆだねられているし
その対応の「責任」も、個々の養護教諭に押し付けられることも多い。
養護教諭の判断ミスで、生徒が亡くなったりしたら、当然養護教諭はマスコミでたたかれ
養護教諭は学校に一人しかいないことが多いから、「○○中学校養護教諭=個人特定」だし。
でも、そもそも養護教諭は「教諭」であって医療従事者ではないんだよね。
免許をとる時に、救急医療について専門的に学んでいるわけではない。
救急の最前線で、たった一人で判断し、対応し、ミス?をすれば個人を特定されてたたかれる。
もちろん保護者からしたら当然なんだろうけど
その責任と求められるスキルは、兼務している仕事の種類と量からしたら、一人の人に対して大きすぎるし重すぎると思う。
しかもわたしなんて、20歳でその重責を背負わされたんだから、やめたくなっても当然だと、今なら思う。
つまり、養護教諭という仕事は「やめたくなっても当然」の仕事だから
「やめたい」と思っても当然なわけで、
あなたがつらくて「やめたい」と思うなら、その選択肢もありだと思う。
ただ、やめたいからすぐやめる・・・ではなく
一度は転勤して環境を変えてみて(生徒の人数も学校によって全然違うし)
やっぱりやめたい!と思ったらやめたらいい
・・・これが今の私が言えることかな。
実際わたしはやめたことに悔いはなく
あの時やめていなければ今の私はいないと思っているし
「やめて戻ってきた」という経験そのものが、「やめたい」と思う先生たちの希望?になっているしね。
なんかここ数か月、生徒を見ても保護者を見ても、日本全体を見ても
「このままいくと日本は滅びる」と思うことばかりで
ここでひとりごとをつぶやいたところで何になるわけでもないと思ってしまい
文章を紡ぐことが億劫になってしまっていて更新もとだえ
今日久しぶりにブログを見たら、アクセスが12!(笑)
それでも、こんなわたしのつぶやきが、一人で苦しんでいるどこかの養護教諭に届いて
ちょっとでも気が楽になってくれたら
「ベテランの仕事」を全うできたかなと思う。