この春、
お子さんが巣立っていく
ご家庭も多いと思います。
母というかたちがなくなったら、
わたしには、何が残るのだろう。
空っぽになるのではないか。
そんな漠然とした不安や寂しさが、
どこかにありませんか。
うちの子どもたちも5年前、
遠くの大学に通うため
この家を離れていきました。
当時のわたしは
寂しさを感じたくなくて
また、母としての最後の仕事とばかりに
できることにエネルギーを注いでいました。
そして、大学生活も残り少なくなったころ
本当に母としての時間が終わるんだなと実感したとき
さみしさが、やっと溢れてきました。
一緒に思い出もあふれ、
・はじめて腕に抱いた日
・つないだ母の手を解き、友だちの所へ行ったこと
・反抗期にできたカベの穴
・いつもお替りする牛丼
これらが消えることはなくて
いつでもここにあるんだ、
そう思えるようになったとき
わたし自身の輪郭が、
少し浮かび上がったような気がしました。
母としての時間が終わったあとは
ただ、わたしが残るのだと思います。
いまは、それを静かに感じています。
母というかたちの向こうに、
たしかに、わたしはいました。
そのことを、静かに見つめる時間を、
ひらいています。