ちょっとリアルで色々あった為に、更新が全く出来ていなくて、勝手にブログをお休みしていました。


 私事以外に・・・まぁ、色々と嫌な事なんかもありまして、ここで書くのは、不特定多数の方が見ていますのです、説明するのも面倒だし、他人にも迷惑をかけそうなのでちょっとやめておきますが、まぁ、ブログどころではないなぁ・・・って感じで落ち込んじゃったりして。


 だけど、やめるのもなんだかだし、とりあえず、ひっそり、こっそりと・・・。


 まぁ、問題が山積みだったのですが、この数週間で落ち着きまして、今週から浮上出来る運びに。


 人間だから色々あるのですが、私にはこのブログがあって良かったなぁ・・・って。


 ただ、まだ完全に落ち着いた訳ではありません。


 それでも、前に進めるのはいい事だと思うし。


 アップする予定でアップを出来ていなかった作品をアップしたいと思います。


 アップ予定は別記事でお知らせします。


 何で更新されないんだ??って思っていた方・・・とりあえず、私自身は大丈夫です。


 リアルで色々あり過ぎていた為に、買ったまま全く手つかずだったゲームの「逆転検事2」も今日からやります。


 いやはや・・・これからまた、自分の為に時間が使えそうです。


 こんな状態ですが、どうぞ宜しくお願いします。m(_ _)mペコリ・・・









 ガイエスブルク要塞をイゼルローン要塞にぶつける・・・。
 突然、司令官のケンプ大将閣下が言い出された時、まさか?と、私はほんの一瞬、我が耳を疑った。
 どちらかと言うと、閣下はトリック等の詭計がお嫌いだ。
 いつでも正々堂々と真正面から向かって行かれる。
 その閣下の意見とは到底思えなかったから、私は驚いたのだった。
 
 今回の作戦は、元帥閣下からの直接のご下命であった。
 そうでなければ閣下は、この作戦に従う事を絶対に渋られた筈だ。
 大体、今回の作戦はシャフト技術大将の発案。
 閣下はシャフト技術大将の尊大で鼻もちならない態度が昔からお嫌いだったらしい。
 だから、「上手くいくのだろうか・・・」と、閣下は作戦決行の日までその事に引っ掛かりを覚えておられたぐらいだ。
 
 要塞そのものをワープさせ、もう一方の要塞を攻略するなどという案は、閣下の頭の引き出しには存在し得ない・・・と小官は拝察する。
 ワープアウト当初は、敵も我々の大胆な行動にかなりのパニックに陥っていた。
 その為、慎重派の私もこれは案外上手く行きそうだ・・・と楽観視した。
 これは参謀長としては甚だ考えが甘かったと言わざる得ないが、喜んだのもつかの間、次に我々を襲ったのは底知れぬ恐怖だった。


 それは、叛乱軍の司令官が、何度も我が銀河帝国軍に煮え湯を飲ましてきた、ヤン・ウェンリーであるという事実。
 そのヤンに、かつてアムリッツァ会戦でしてやられた記憶が、まざまざと蘇った。
 彼が司令官である以上、何か詭計があるのではないか?と、我々に抱かせる事自体が一番の恐怖で、気が付かぬ内に、我々の攻撃は統制を欠いていたのかもしれない。

 そんなさなか、副司令官のミュラー大将閣下は、ヤンを「恐ろしい人物」だと言って、ご自分の麾下の艦隊3000隻を割いて回廊内に配置した。
 勿論、それは理由があっての行動だった。
戦闘中、たまたま捕虜にした敵兵士の一人が死ぬ間際、「要塞内にヤン提督は不在」だと言ったのを治療に当たった軍医が聞いたのだそうだ。
 その報告を受けたミュラー提督は、後顧の憂いを断ち切る為に、艦隊の一部を回廊内に振り分けたのだ。
 我々は今回の戦闘で、確かにヤンの旗艦のヒューベリオンが戦闘直後から敵中に存在していたのを確認している。
 司令官の旗艦である。
 間違いなくヒューベリオンは敵中にあったのだ。
 だが、そこにヤンが乗っているか乗っていないか・・・確かめる術はない。
 ヤンが不在と仄めかす事自体が陳腐極まりないが、我々帝国軍を混乱させる策<て>として有効だと思ったのだろう。
 副司令官とあろう者が、そんな小手先の策に引っかかるとは。
 ケンプ閣下は、ミュラー提督の独断とも受け取れる行動に激怒された。


 司令官はケンプ閣下であって、ミュラー提督はあくまで副司令官なのだ。
 自分への断り無しに勝手な行動を取ったと思われたようだった。
 言うまでもないが、我々には余裕兵力等あろう筈もない。
 故にミュラー提督の兵力は貴重な存在だった。
 ケンプ閣下は「振り分けた艦を元に戻せ」と強く言い放ち、一瞬、スクリーン越しにも険悪なムードになった。
 階級は同じ「大将」だが、年長のケンプ閣下が司令官で、ミュラー提督は副司令官。
 それは変えようのない事実である。
 全権限は司令官に帰する。
 ミュラー提督は渋々であったが割いた分の艦隊を元の位置に戻され、私は漸くホッとした。
 しかしながら、ミュラー提督が艦隊を下げられた後も、ケンプ閣下の怒りは収まらなかった。
 そして、普段よりも逆に闘志が沸かれたようだった。


 「・・・フーセネガー。あの恐るべき男が要塞にいないなどという話を卿は信じられるか?第一、死ぬ寸前の捕虜の言葉だというではないか。全く、ミュラーは一体何を考えているのやら」
 「念の為・・・と思われたのではないでしょうか?少々申し上げにくい事ながら、ミュラー提督は、今回、多少の失敗もおありですし。何としてでも名誉挽回を図られたのかもしれません」
 「・・・ふむ、なるほど。まぁ、いい・・・。奴も懲りて勝手な行動を慎むだろう」


 閣下は強い口調でそれだけ言われると、私の顔を見て苦笑された。


 「・・・ひどい顔だな、卿も」
 「はぁ・・・」
 「おい、ルビッチ!」
 「は・・・はい、閣下!」


 副官のルビッチ大尉が慌てて閣下の元に駆け寄る。
 ルビッチの目には大きな隈が出来ていた。


 「・・・ふむ、卿の顔もひどいな。よし、2人とも1時間ずつ、タンクベッドで休息を取れ。いいな?」


 ルビッチ大尉は明らかに寝不足と分かる顔だった。
 目の周りに大きな隈を作っていたのを見て閣下は我々に休息を促して下さった。
 私達は閣下の言葉に大きく頷き、ルビッチ大尉は嬉しそうに中央司令室を後にした。


 「他の者も交代で、1時間ずつで休憩しろ」


 この閣下の言葉に、居合わせたオペレーター達も笑顔になった。

 ・・・私が思うに、少なくともこの辺りまでは、閣下も部下を思いやる優しさを持っておられたのだ。


 だが、戦局が厳しさを増すごとに閣下の顔からは余裕の笑みが一切消えた。
 代わりに、苦渋に満ちた表情と鋭い言葉で我々を叱責するようになられた。
 そして、要塞に要塞をぶつける・・・という言葉が閣下の口をついて出られた時、私は閣下の精神状態が普通ではなくなっているのに気付いて戦慄すら覚えたのだが、この作戦案を知っているのは、今のところ私だけのようであった。
 作戦を口にされた直後、閣下の顔には笑みが浮かび、静かな自信を感じさせた。
 そして、ガイエスブルク要塞へと撤退を始められたので、私はそれ以上を言う事が出来なかった。


 


 「あの・・・閣下はどうされたのでしょうか?」


 不安げな表情を浮かべて私に声を掛けて来たのはルビッチ大尉だ。
 酷く顔色が悪い。


 「どうなされた・・・とは?」 

 私は少し声を顰<ひそ>めた。

 「・・・ですから、要塞に要塞をぶつけるというのは、早い話が特攻をかけるという事でしょう?確かに今となっては、有効な手段であるとは思います。ですが、今更と言う気がしないでもなく・・・」
 「・・・ルビッチ大尉。閣下には閣下のお考えがあるのだ」
 「いえ・・・中将閣下、小官が言いたいのは作戦そのものではありません。大将閣下の体調や・・・」
 私はルビッチ大尉の言いたい事を悟って慌てて話題をすり替えた。
 「要塞に乗り込むのは要塞要員と閣下の直属の部下だけだが、要塞には脱出シャトルもある。それにこの作戦は成功するだろう。したがって卿は何も心配する事はない。閣下も自信がおありなのだ」
 「そうですか。そういう事であれば、小官はケンプ閣下の副官ですから最後までお供します。あの・・・中将閣下は・・・」
 「卿も面白い事を言うな。お供するに決まっているだろうが。・・・参謀長が付いて行かんでどうするか」
 ルビッチは私に笑顔を向けた。
 「そうですね。変な事を言って申し訳ありません。・・・小官はそろそろ、閣下の元に戻ります」


 そう言いながら私の元を去った閣下の副官の後姿を見送りながら、私は深い息を吐いたのだった。
 彼は閣下の精神状態が普通ではなくなっている事を、そばに控えている副官故に気付いていたのだ。
 有能で十分な気配りが出来る男であるが故に不安なのだろう。
 ・・・ルビッチは優しい笑顔の青年だけに私は気が重かった。
 


 一体何が起こったのか、最初は全く分からなかった。
 大きく息を吸い込むと息苦しさを感じて私は少し戸惑った。
 私は固く閉じていた目を見開いた。
 爆発のショックか、要塞内の全てのライトは消え、辛うじて非常灯がボウっと灯っている。


 身体をあちこちにぶつけたのか、ひどく身体が軋む。
 頭を軽く振って何とか身体を起こし、壁に手を付こうとして、私はその時点になって初めて右腕が肘の関節の所から骨折しているのを知った。
 ・・・骨折を認識した途端に激痛が走る。
 折れた事に気が付かなかったなど、馬鹿みたいな話だ。


 熱と煙は、エア・コンディショニング・システムの処理能力をとうに超え、室内に充満していた。
 視界にはうっすらともやがかかっていた。
 配線システムがあちこちでダウンし、バチバチと異様な音と火花を散らし、この場が、最早まともに機能していない事を悟るには十分だった。
 何度も咳き込んだ私は回りを見る。
 視界が慣れてきたのか、内部の様子を知る事が出来たが、それはショッキングな光景だった。


 私のすぐそばに、新任の航法士官のブルック少尉が倒れていた。
 彼は大きな配電盤の下敷きになっていた。
私は助けようとして何とか少尉のそばまで這い寄ってはみたが、少尉は胸を圧迫されて既に事切れていてピクリとも動かない。
 私は暗澹たる気持ちで、見開いたままの彼の瞳をそっと閉じてやった・・・。


 「まだ・・・若いのに」


 士官学校を出たばかりの前途有望な青年なのだ。
 私は身を切られるような思いにかられた。
 そして、ブルック少尉のすぐ側に、閣下の副官のルビッチ大尉が倒れていた。
 彼も壁面の下敷きになってはいたが、まだ息があった。
 肩で荒い息を繰り返しているが、助かるかもしれない!


 「おい・・・」


 何とか擦り寄って私は呼びかけたが、瞳を閉じたままのルビッチ大尉は殆ど反応を示さない。
 彼の口から出た言葉に私の目から思わず涙が溢れ出た。
 ずっと、「母さん<ムッター>」と言っていたのだ。
 私は心苦しくなって唇を噛み締めた。
 彼の腹部から下を覆う壁面はあまりにも重くて、私の力では動かしようがなく、動いたとしても、これでは手の施しようはないだろう。
 閉じられた瞳からうっすらと涙が滲み、まるで小さな子供のように、「母さん<ムッター>ごめん・・・」と数回繰り返して息を引き取った。


 最期の時を、ただ見守る事しか出来ない己の不甲斐なさが辛い。
 その辛さを紛らわす為に大声を上げたい心境になったが、急に閣下の事を思い出し、私は必死に閣下の名を呼んだ。


 「閣下!ケンプ閣下!どこです!!?」


 阿鼻叫喚!
 まるで地獄絵巻そのものだ。
 ・・・ここがガイエスブルク要塞中央司令室とは!!



 漸く見つけたケンプ閣下は指揮卓から動かなかったが、私の声が届いたのか、「・・・全員、この場から退却せよ」という弱々しくしく低い言葉を発せられた。
 そのお声を聞いた途端に、私はその声音に顔が引きつるのを覚えた。
 弱々しい声音など、剛毅で鳴らす閣下には似つかわしくなかった。
 自分自身の痛みをこらえて、私は慌てて閣下の側に駆け寄った。
 ・・・正確には這い寄ったと言った方が良いが。


 「閣下はどうなさるのです?」


 私の言葉に閣下は苦しげに微笑まれた。


 「俺はもう助からん。これを見ろ」


 言われて閣下の姿を改めてみた私は愕然とした。
 右手で押さえられている閣下の右脇腹は、自身の血で真っ赤に染め上げられ、血が後から後から溢れ出し、真っ赤に彩られた骨の一部が大きく飛び出していた。
 爆発で吹き飛ばされた壁面が閣下の巨体を抉ったのだ。
 やがて閣下は疲れたのか、瞳を閉じて大きく息を吐かれた。
 その時、閣下の口から漏れ出たのはたった一言。

 それも良く聞いていないと聞き漏らしそうなほど小さな声。 
 閣下は左手で、ポケット辺りを押さえられ、搾り出すように呟かれた・・・。

 それはたったひとこと。


 「イレーネ・・・」


 それは、閣下の奥様の名前・・・。
 オーディンで閣下の2人の息子さん達と、閣下の帰りを待っていらっしゃる・・・私は目眩を覚えた。
 私は閣下が胸ポケットにご家族の写真を入れられているのを知っている。
 いつだったか、それが閣下にとっての「ラッキーアイテム」で、戦闘中はいつも胸ポケットにしのばせているとお聞きした事があったからだ。


 ・・・あぁ!!
 やはり、このガイエスブルク要塞は呪われているのではないか!?


 先年、ここではジークフリード・キルヒアイス上級大将がローエングラム元帥閣下を守って暗殺者の手に掛かって横死しているし、元々、リップシュタット戦役で貴族連合軍の本拠地だった要塞なのだ。
 ブラウンシュヴァイク公を筆頭に、死んでいった貴族達の凄まじい怨念が渦巻いている・・・と言われても、今なら信じられる。
 このままここに留まっていれば、私も確実にヴァルハラの門をくぐる事になる。
 何としてでも助かりたい・・・。


 私は痛む身体に鞭打って何とか立ち上がった。
 そして、何度もよろめきながら司令室を後にした。


 「総員退却!退却------------」


 警報機の、感情の無い無機質な機械音声とけたたましいサイレンの音が身体中に突き刺さった。


 待機しているシャトルの場所は知っているが、身体が思うように動かない。
 ポートまでの距離が異様に長く感じられた。
 おまけに何度もよろめいてはあちこちぶつけ、更に身体は傷だらけになった。
 ポートに向かう間の通路は沢山の屍体で埋め尽くされていた。
 それは完全な固体ではなく、皆、どこかが欠落した屍体だ。
 引きちぎられた腸だのが散乱し、通路は訳の分からないドロドロ・・・。
 目にした瞬間に激しい吐き気を覚えたが、何も食べていなかったので、出たのはひどい臭いを発する胃液だけだった・・・。


 何とかポートに辿り着き、私はシャトルの1号機に乗り込んだ。

 実は中央司令室が一番ポートに近く、私が乗ったのがシャトル1号機は小型だが、将官用とされている。
 どうやら助かった将官は私だけのようで、私が乗り込むのと同時にシャトル1号機は上昇を開始した。
 ポートには、他にもう1台、大型のシャトルが待機中だ。
 要塞内の全員を収容出来る訳ではないが、ある程度の人数を収容出来る。
 このシャトルも既に発信準備が出来ている。


 私がシャトルに乗ってすぐに、シャトルの要員だという、レオポルド・ローゼンツヴァイク曹長の応急手当で腕に添木を当てられた。
 腕を吊ると少しだけ楽になり、漸く大きな息を吐いた。


 「参謀長閣下。額も大きく切れていますので、消毒いたします」


 どうやら、私は額もざっくりと切っていたらしい。
 気を張っていたからなのか全く気が付かなかった。
 曹長は手早くスプレーで傷を凍結させて消毒し、額に大きな絆創膏を貼って、更に包帯を巻こうとした。


 「いや・・・包帯はいい」
 「・・・包帯は巻かれた方が良いです。閣下が思われている以上に傷が深いです。傷口が開いたら大変です。止血の為にも固定した方が良いです」
 「卿は医療の心得が・・・?」
 「いえ、特には。しかし、一通りの救命講習は受けていますし・・・。応急手当ぐらいは出来ます」
 「・・・あぁ、そうだな。では頼む」


 私がそう言うと、彼はまたしても手際良く包帯を巻いて、それから蒸しタオルを手渡してくれた。 
 片手では少し不自由だったが、それでも顔を拭くと、ほんの少しだけ生き返ったような気がした。
 シャトルは全速力で要塞内から脱出したが、脱出の間際に、シャトルのテレビ・モニターにポートの様子が映し出された。


 「この映像は・・・」
 私は思わず呟いた。
 「どういうシステムか分かりませんが、このシャトルにはカメラが埋め込まれてます。相互確認の意味なんでしょうが、ポートの映像が入るようになっているんです。あぁ、この映像は・・・2号機のですね」
 そう言ったのは、操縦士のリヒャルト・ドレスナー中尉だった。
 ・・・そして、私を含めて全員が愕然とする羽目になった。


 堂々たる大きさのシャトル2号機が、定員の半分ほどを乗せた時点で発進しようとした為に混乱が生じた。
 機体には、乗り損なった幾人もの人達が、蝉のようにしがみ付いていたのだ。
 やがて、閉じたハッチが再び開かれ、殺到する兵士達。
 先に乗っていた兵士の1人がレーザーナイフを振りかざし、あとから乗ろうとしていた兵士の腕を切り落とした。
 片手を失った兵士はバランスを大きく崩し、シャトル搭乗口から床に一気に転落。
 そのまま、丸太のように動かなくなった。

 シャトル1号機のモニターに映し出されたのはその映像だった!
 我々は息を飲んだ。


 「これは・・・」


 私はそれだけ言って口を噤む。

 誰も映像を前に口を開かなかった。


 自分だけが助かりたい人間のエゴ。
 身体の震えが止まらない。
 やがて怒り狂った他の兵士が、レーザーナイフを持った兵士の顔面を撃ち抜く。
 モニター画面では分かりにくかったが、多分、ブラスターで撃ち抜いたのだ。

 2号機は再びハッチを閉じて急速上昇を開始した。
 だが、今度は乗り遅れた兵士がハンド・キャノンをシャトルに向けて撃ち込んだ。
 操縦席辺りを鮮やかなオレンジ色の炎が包み込む。
 そして、そのまま轟音を立ててシャトルは爆発炎上した。
 ・・・機体の爆発によって、映像はここまでだった。


 「・・・今の爆発では・・・シャトルはもう・・・」


 何も映さなくなったモニターの黒い画面を前に、漸くドレスナー中尉がくぐもった声で呟いた。


 1号機のシャトルの全員が息を飲んで中尉を見た後で、互いに顔を見合わせた。
 私はまたしても暗澹たる気持ちに沈み込む。
 あまりにも凄惨な光景に、皆、暫く無言であった。


 考えれば考えるほど恐ろしい光景で、気持ちが萎えてゆく。
 私は見てはならぬ物を見てしまった悔恨を覚えていた。

 このシャトルが無事に危険宙域を脱して、ミュラー提督の旗艦、「リューベック」へと向かっていると、ドレスナー中尉に言われても、私はろくに聞いていなかった。
 無言のまま、前を見据えていた。


 「閣下・・・痛みますか?」


 私が無言なのを、痛みの為ではないかとローゼンツヴァイク曹長は思ったようで、「痛み止めを処方しましょうか?」と心配げに声を掛けてくれた。
 「いや・・・大丈夫だ」
 私はそう答えて目を閉じた。

 助かった事が罪深い気がした。


 閣下を助けられず、前途有望な若手士官達を死に追いやったのは自分の責任のような気がした。
 ・・・参謀長として、閣下にもっと進言していたら!!


 忘れよう、忘れようとしても、脳裏から離れない映像。
 そして、ふと、ある物語を思い出した。


 レーザーナイフを持った兵士があそこでナイフを振るわず、秩序を保って幾人かでもシャトルに乗せていたら、彼等は助かったのだろうか?



 私が士官学校に在籍していた頃に図書室で見つけて読んだ、その古典小説のタイトルは、「蜘蛛の糸」と言った・・・。




Das Ende




 ケンプ艦隊きっての慎重派の参謀長、フーセネガー中将が見たケンプの最期・・・。

 追悼作になっているか非常に怪しいですが、淡々としたフーセネガーの語り口調は彼らしい?


 彼はこの後、ミュラーにケンプの最期の言葉を伝えるのですが、それは、また後で・・・ですね。


 フーセネガーはケンプ艦体の数少ない生き残りで、この要塞対要塞戦の2年後には、フェザーン大本営情報主任参謀というのになって、『回廊の戦い』なんかに参加していたりします。(あ・・・これは原作に出て来ます)


 タイトルに使ったのは、芥川龍之介氏の名作です。

 原作の3巻を初めて読んだ時、「これは“蜘蛛の糸”だな」と思っていたので、思い切ってタイトルにしました。
 ただ・・・帝国では、お釈迦様は“大神オーディン”、極楽は“ヴァルハラ”と訳されてるんだろうな・・・。(それはそれで面白そう・・・?)
 主人公もベタに、カールとか、ハンスとか・・・になっていたりして。


 ケンプと一緒に、オリジナルのブルック少尉、副官のルビッチ大尉も殺してしまいました。
 ちょっと悲しいです。←なら、殺すなよ・・・後悔しても遅い・・・。

 フーセネガー、ケンプ、ミュラー、ルビッチ以外はオリジナルです。


 ケンプ提督のご冥福をお祈りするとともに、彼のご家族にこの先、幸福が訪れますように・・・ううう・・・。


 因みにこれを書いたのは2000年ぐらいだったと思う。
 うーん・・・10年ちょっと前ですか。


 まだ100のお題等に挑戦する前でね。
 何だか、ケンプがメチャ好きだった時代に書き連ねた話だったりします^^





 
 







 
 宇宙暦798年(帝国暦489年)4月10日。


 標準時間早朝、オースティン中佐はベッドから身を起こして顔を洗い、髭を整えて艦橋へ。
 マクレガー大尉は夜勤だった為、眠そうに何度も欠伸を噛み殺している。


 「・・・何だか、眠そうだな」


 間抜け面の大欠伸に思わず笑ってしまうオースティン。
 マクレガーに声を掛けると、大尉は、また大欠伸をした後で、操作卓<コンソール>を叩く手を休めて、ゆっくり振り返り、肩を竦めた。


 「おはようございます、艦長。艦長がお休みになられた後もバーンズ少尉の相手をしていたんですが・・・」
 「ほう。熱心だな・・・」
 「これが質問攻めにあいまして。疲れてしまいましたので、小官の裁量で仮眠を取らせました・・・」
 「仮眠・・・ね。それは構わんがすぐに起こせよ。休み癖が付いてはかなわん。・・・それで質問攻めとは?」
 「・・・士官学校も何を教えているんでしょうか?」
 「・・・ん?どうしたんだ?」
 「簡単な事を答えられないと思ったら、ここではどうでもいいような小難しい事を聞いてきたりで・・・」
 「まぁ、勉強と実地は違うさ。慣れるまでは仕方ない。それに、赴任してすぐこの勤務だしな」


 どうやら、バーンズ少尉は、実際の戦闘で宇宙に出るのはこれが初めてらしい。
 きっと張り切っているのだろう。
 初々しい・・・そして、自分にもそういう時分があったな、と、オースティンは少尉だった頃を考えてみた。


 「それに、誰でも初めは・・・な。俺だって初陣の頃は、少尉と似たようなものだったぞ。貴官だってきっとそうだったと思うが・・・どうだ?質問で気を

紛らわせていたのかもしれんだろうが?」
 「まぁ、そうですが・・・」
 「赴任して早々に・・・だからな。不安なんだろよ」
 「そりゃ、そうですが・・・。でも、質問攻めにあうのは、精神的に疲れますって・・・。お陰でこっちはグッタリで・・・」
 「まぁ、コーヒーでも飲んで・・・」
 「・・・もう、大量に飲んでいますよ」


 大尉は給茶機のインスタント・コーヒーを紙コップに注ぎ、流し込むように飲んだ。
 カップを握り潰してダスト・シュートに放り込む。
 ダスト・シュートの中は大尉の握り潰した紙コップだらけだ。


 「・・・凄い量だな。紙コップもタダじゃぁないぞ。少しは遠慮して自分のカップを使ったらどうだ?」


 オースティンは「ケチ」ではないが、さすがにその量に呆れ返っていた。
 本当にダストシュートから、紙コップが溢れていた。


 「じゃあ、そうします」


 オースティンは冗談のつもりだったが、大尉は真に受けた。
 本当に給湯室から自分の陶器のカップを持参し、また、コーヒーを注ぐ。
 オースティンは、(参ったな・・・)と、顎に手を当てた。


 「それにしても艦長。コーヒーを飲む以外に退屈しのぎもなくて。哨戒とは言え、平和ですね・・・」
 「・・・確かにな。だが、油断はするなよ」


 この任務で、イゼルローンを出てから口をつくのはこの言葉ばかり・・・オースティンは苦笑した。
 カップ片手に大尉はゆっくりと席に戻り、計器を睨む。
 今のところは変化はないが、それでも計器から目は逸らない。
 オースティンではないが、確かに油断禁物だ。
 何度目かカップに口を付けた時、不意にモニターに不審なモノを発見した。


 マクレガーは慌てて操作卓<コンソール>の隅にカップを置いた。

 ・・・漸く、何かがあったようだ・・・。
 不謹慎だが、目が輝き、身体中にピリピリした緊張が漲る。




 「前方の空間にひずみが発生」


 しかし、マクレガー大尉は冷静さを失ってはいない。
 彼は、モニターを見つめながら、淡々と報告した。


 「何かがワープ・アウトしてきます。距離は300光秒、質量は・・・」


 そこまで言いかけて大尉は固まってしまった。
 視線を投げかけたモニター画面上で、その物体についての計算がされているものの、俄かに信じ難い数値が並び始めたのだ。
 艦のコンピュータには絶対に狂いはないはずだが・・・これは!
 驚きのあまり、声が掠れて思うように出ない。


 「おい、どうしたんだ。報告を続けろ」
 「質量は・・・きわめて大・・・」
 「もっと正確に報告せんか!」


 オースティンは苛立ちのあまり、思わず怒鳴ってしまった。
 「きわめて大」とは、あまりにアバウトで、何が何だか分らないではないか。
 モニターを食い入るように見つめるマクレガー大尉。
 ・・・モニターに映し出されたこの計算と数値が本当の数字であれば、それはとんでもない悪夢であった。


 (まさか、まさか・・・信じられない事だ!!)


 何度か咳き込んだ末に、彼は漸く声を張り上げた。


 「質量、約40兆トン!戦艦などではありません」
 「・・・何だと!?」 


 今度はオースティンが愕然とする番だった。

 質量40兆トン!?
 一瞬聞き違えたのかと思ったが、顔面蒼白で首を横に振る大尉の様子に、それが現実だと悟る。
 一万隻の戦艦で構成された大艦隊ですら、ここまでの質量は無い・・・最悪だ!
 それも、艦隊等の集合体の質量ではなく、たった1つの質量がその数値なのだというのだから・・・。
 勿論、愕然としてばかりもいられない。


 「艦長!これは、計算間違いなどではありません!」


 マクレガーが喉を掘るような声で叫ぶ。
 オースティンは僅かな身震いの後、イゼルローンへの緊急報告を指示し、更に命令を下した。
 
 「急速後退しろ!時空震に巻き込まれるぞ!」


 一方、戦艦「ヒスパニオラ」の艦橋内でも同様の事が起こっていた。
 凄まじい振動で、指揮シートから、思いっきり投げ出されるギブスン。


 「・・・・・・つぅ・・・・・・一体何が起こって・・・」


 床に強かに打ちつけた側頭部を押さえて立ち上がる。
 こちらも、相手の質量に愕然として、イゼルローン要塞へ緊急報告するように指示すると、全艦に急速後退を命じた。
 とにかくこの場から急いで“逃げる”しかなかった。


 「・・・おい!もっとスピードは出ないのか!」


 指揮卓を思いっきり叩いて怒鳴る。
 だが、航法士官のベレンジャー中尉が、振り向きながら叫んだ。


 「これが、ギリギリなんです、艦長っ!」


 全艦、エンジンが許す限りのスピードで、異変の生じつつある宙域から必死に遠ざかろうとした。
 逃げるしかなかった・・・それも急いで!


 「要塞への報告はどうしたか!」
 「・・・か、艦長、妨害電波がひどくて、イゼルローンへ情報が送れません!と・・・とにかく後退しないと!!逃げましょう!」


 通信士官のブラウン中尉が、真っ赤な顔で喉を掘るように叫ぶ。
 必死に通信網を開こうとしているが、計器類が全く役には立たず、この状況では、通信ポッドを使える訳も無い。
 悲痛な表情で計器類と睨めっこするしかなかった。           
 この背筋が凍るほど恐ろしい状況を作り出したのは、目前に突如現れた、アレのせいに違いない。
 ギブスンは「悪夢だ・・・」と呟いた。


 スクリーンを睨み付けたオースティンは大声を張り上げた。


 「な・・・なんという事だ!」


 各艦とも必死にスピードを出しているが、時空震の影響の為か、思ったほどスピードは出ない。
 最悪の場合は・・・。
 今回の哨戒に懐疑的だった彼の全身の血液を瞬く間に凍らせた。


 「とにかく後退しろ!出来るだけ遠くに!」


 オースティンは眩暈を覚えていた。


 全天スクリーンには同型巡航艦の「グレムリン」、「ワイオミング」等が見えるが、どの艦も動きが鈍い。
 ・・・彼等にも、無事にこの宙域から脱出してほしくて、彼は心の中で祈った。
 突如、艦全体が激しく振動する。


 「大丈夫か!?」

 オースティンはそう声を発しようとした。
 しかし、見えざる手が、心臓を握り潰すかのような激痛が皆の身体を走り、苦痛の為に、悲鳴すら出なかった。
 そして、マクレガー大尉の操作卓<コンソール>の隅に危なげに置かれていたカップが床に落下。
 それは、異様な音を立てて粉々に砕け散った。


 それでも当初の目的・・・哨戒任務を、彼等は忘れた訳ではない。
 苦しい息の下でも、決してモニターから目を離す事無く索敵を続け、何とか、命からがら、全艦、危険宙域から脱出したのである。





 「ワープ・アウト完了・・・無事成功の模様です、閣下」


 空間の歪みが正常値に戻り、参謀長のフーセネガー中将は安堵した表情を浮かべる。
 そして、指揮席に座る司令官のケンプ大将を仰ぎ見た。


 「敵の哨戒部隊はどうした?」
 「・・・撤退した模様ですが」


 敵の哨戒艦隊は壊滅させられなかったが、ガイエスグルク要塞は、無事にイゼルローン回廊内へのワープに成功したのだ。
 銀河帝国軍は、かつて自分達の前線を守る要であったイゼルローン要塞を自由惑星同盟に奪われ、それを再奪取する為に作戦を練った。
 そして、こんなはるばるまで、同じ規模の要塞、ガイエスブルクをワープさせる作戦に出たのである。
 シャフト技術大将の考案であり、要塞の外周に12機のワープエンジンを取り付けたのだが、まずは成功と言っても良い。

 この要塞の主砲である『ガイエス・ハーケン』は、イゼルローン要塞の主砲の『トゥール・ハンマー』に匹敵するほどの威力を持っており、互角ならば、十分な勝ち目はあるのだ。


 攻略戦に参加したのは、司令官のケンプ大将と副司令官のミュラー大将である。
 要塞の中に旗艦を収容してワープが出来るのだが、最終のワープの段階で、帝国軍の能力<ちから>を見せる為に、全艦隊を要塞の外側に配置して、要塞ごとワープしたのであった。
 現在、ケンプの旗艦の『ヨーツンハイム』の全天スクリーンには、真っ赤な巨大な要塞と、貴下の艦隊、そして、副司令官のミュラー大将の旗艦の『リューベック』と、彼の艦隊とか映し出されていた。 

  
 「ふむ・・・小物は取り逃がしたか。奴等も索敵員なら、この事を・・・報告しているだろうな」
 「多分、パニックになっている事でしょう。まさか、自分達の鼻先に要塞ごと来るとは考えないでしょうし・・・」
 「・・・全くだな」


 帝国軍のカール・グスタフ・ケンプ大将は、無事にイぜルローン回廊に入れた事に、まずは満足したようだ。
 そして、腕を組んだまま、不敵な笑みを浮かべた。


 「閣下、副司令官のミュラー大将閣下からの通信です。・・・スクリーンを切り替えますか?」

 脇に控えていた副官のルビッチ大尉から、タイミング良く報告が入り、ケンプは大きく頷いた。


 「・・・うむ。繋いでくれ。ワープした事は喜ばしいが、それが最終目標ではないからな。気持ちを切り替えよう・・・」


 ケンプは、一瞬、ニヤリとした後で、急いで表情を引き締めた。




 「おい!要塞との連絡はついたのか!」


 ギブスンの問いかけは何度目か分からなかった。
 床に打ち付けた側頭部はまだズキズキと痛むが、痛みなどにかまっていられない状況である。
 問われる度に、「ま、まだです!!」と、否定的だったブラウン中尉が嬉々とした声を上げた。


 「あ・・・艦長、繋がりました!!」


 スクリーンに、イゼルローン要塞のオペレーターが現れる。
 ギブスンは何とか息を整えて報告を開始した。
 きっと、皆、驚くだろうと思いながら・・・。


 「本日、0712<マルナナヒトフタ>、本哨戒部隊は、敵要塞、及び敵の凡そ2万隻の艦隊と接触。・・・ワープアウトして出現した物体は、その形状からして要塞であり、“移動型要塞”と思われます」
 「移動要塞だと!?」
 「要塞の形状は球体、または、それに属するもの。材質は合金とセラミック。質量は概算で40兆トン」
 ギブスンここで大きく息を吸い込んだ。
 「直径40キロないし、45キロ。その表面は、要塞全体を覆っている訳ではありませんが、真っ赤な流体金属層で覆われています」
 「・・・という事は・・・イゼルローンのような要塞・・・?」
 「・・・そうです。詳しい状況はまだ分かりませんが、形状と質量から、イゼルローン級の要塞主砲を持っていると考えられます」
 「た・・・大変だ!!すぐに司令官代理に報告する。哨戒部隊もすぐにイゼルローン要塞に帰投の事!!」
 「・・・了解」


 予想していたオペレーターの狼狽振りを見ながら、ギブスンは溜め息を付いて通信を切った。


 「全艦、急速前進!要塞まで逃げるんだ!」


 先程同様の猛スピードでイゼルローン要塞を目指した。




 この時点では、確かに帝国軍は、同盟軍に衝撃を与える事には成功していた。
 ガイエスブルク要塞と遭遇した哨戒部隊の報告は無事に司令部に伝わった。
 だが、ヤン不在の時に起こった如何ともしがたいこの事実。
 謹厳な参謀長のムライ少将は、「帝国軍は新しい技術を開発させたとみえる」と生真面目に言い、要塞防御指揮官のシェーンコップ少将も腕を組んだ。
 しかし、吐き捨てた。


 「スケールを大きくしただけのことだろう。それも、どちらかというと、あいた口がふさがらないという類だ」


 帝国軍の行動を、馬鹿馬鹿しい見上げた努力と、呆れ顔である。
 キャゼルヌは、「意表を突かれたこと、敵の兵力が膨大であること、これは確かだ」と言ったが、「しかし、イゼルローン要塞が現在の同盟軍の要である以上、呆れてばかりもいられない」と困惑気味だ。

 第一、ヤンがここに不在なのは事実であって、呼び戻すにしても、ハイネセンからここまでは、実に3、4週間はかかるのだ。


 その不在の間、留守番の者達だけで守らねばならず、慌ててばかりもいられず、至急、首都ハイネセンに連絡を取った。
 査問会に出席しているヤンの召喚である・・・。
 ヤンを無駄にハイネセンへと呼び出しをかけた査問委員達が、要塞の危機に素直に応じてくれれば良いのだが。


 「多分、すぐにでも提督を解放するでしょうな。・・・よほどの馬鹿でない限りは。大体、イゼルローンあっての同盟ですからな」


 シェーンコップは不機嫌だった。
 ヤンを要塞へ送らねばならないのは、軍の上層部だって分かるだろう・・・それでも、開放しなかったら同盟も終わりだな・・・と、キャゼルヌも思った。
 キャゼルヌは司令官代理とは言え、自分が「平時」の司令官代理でしかない事を改めて痛感していた。

 このままでは、要塞砲同士の撃ち合いになるのは必至であった。
 そうなれば、いくら強固なこのイゼルローン要塞とて無傷では済むまい。
 そして、次第に現実味を帯びてきたその想像に、皆の背筋が凍り付いた。



 イゼルローン要塞は、帝国軍のケンプ提督の目論見通り、上を下への大パニックに陥っていた。

 だが、ヤンがハイネセンからイゼルローン要塞に戻って来た時・・・。
 まさか、帝国軍が惨敗するとは、ケンプ以下、この時は、帝国軍の幕僚の誰もが、まだ予想だにしていなかった・・・。





 THE END





 ガイエスブルク要塞と同盟軍の哨戒グループの遭遇です。
 今回の主人公はギブスン大佐とオースティン中佐(オリジナル)です。

 ギブスン大佐は原作ではJ・ギブスンとあったので、ファーストネームを「ジェラルド」としてみました。
 そして、通称は、「ジェイ」。
 親友のオースティン中佐は「ウィリアム」にしたので、通称は「ビル」です。
 ・・・ふふっ!
 マイナー・キャラ故のお遊びが出来る訳ですね!
 でも、ビルなんて言うと、何だかお気楽なアメリカ映画みたいですが・・・。


 あ・・・他に登場するキャラも私のオリジナルです・・・。

 今回のは、オリジナルのオンパレードですね・・・それこそ艦名までもが。(ユリシーズ、コルドバ、ヒスパニオラ以外は)


 そして、ケンプ艦隊の登場です。
 それと、参考になるかと思って見たOVA・・・今回の小説の参考に全くならなかったです。
 それよか、逆に腹が立ちました・・・。

 だって、OVAで登場する哨戒艦隊ってユリシーズなんだもん!
 貴重なギブスン大佐の出番を奪ってしまったのです~!
 まぁ、特に重要なセリフがあった訳ではないので、ユリシーズの哨戒って事に変更させられたんだな。
 これで、戦艦ヒスパニオラは出番はなくなり、哀れ・・・模型すらありませんです。

 ユリシーズのニルソン中佐も好きですが、ギブスン大佐の為に、苦肉の策で艦を故障させちゃいました・・・許せ、ユリシーズよ・・・。


 原作だと哨戒部隊は全滅・・・みたいな書かれ方をされてますが、OVAでは、遭遇したユリシーズはしっかりと生き残っていましたので、その部分だけを参考にさせて頂きまして、ギブスン大佐や他のメンバーも、結局、全員を助けてしまいました。


 そして、これが、後々、他のお話で生きてきます。(意味深でしょ?でも、たいした話ではないんだな、これがww)

 ・・・ってな訳で、ギブスン大佐は、「ユリシーズの箱舟大作戦」にちょこっとだけ登場してます。