宇宙暦804年(新帝国暦6年)11月9日午前9時。


 新領土<ノイエ・ラント>総督である、アウグスト・ザムエル・ワーレン元帥は、首都星フェザーンのフェザーン中央宇宙港にいた・・・。


 「閣下、昨日はお墓参りの後、どちらに行かれたのですか?」


 副官のハウフ中佐に声を掛けけられたワーレン。
 ワーレンは、バインダーを片手にフッと笑った。


 「あぁ、あの後は・・・飲みに行った」
 「え、お1人で・・・ですか?」
 「まあな。・・・昔、ルッツと良く飲みに行った店があってな。昨日はあいつの月命日だったからな・・・」
 「月命日・・・?」


 ハウフは不思議そうに呟いて、やや首を傾げる。
 その仕草で、彼には意味が分かってないらしい事が見て取れる。
 それで、ワーレンは『月命日』について教える。
 地球時代の古い宗教からきているらしいが、死者を悼む為に、毎月、亡くなった日と同じ日に、その死を悼んで墓参りをしたりするのが、月命日だと。


 「良い風習ですね、それ」
 ハウフは感心したように呟いた。
 「・・・確かにな。死者を悼む気持ちが崇高な感じがする。ちょうど先月がルッツの祥月命日なんだが・・・。あぁ、『祥月命日』と言うのは本当に亡くなったのと同じ月日らしい。とにかく・・・命日を1ヶ月もずれての墓参りとなると、少々、墓参り自体を心苦しく思っていたのだが、この『月命日』とやらのお陰で、心置きなく墓参りが出来て本当に良かった」
 「そういう良き風習は・・・もっと取り上げられても良いのではありませんか?推奨すべきですよ、閣下」
 「全くだ。俺もそう思う。実は、この月命日の事を教えてくれたのはメックリンガーでな。さすがに博識でありがたい。ところで、ハウフ。出航準備の方はどうなっているのだ?」
 「順調です。このまま何事もなければ、明日の10:00<ヒトマルマルマル>にはちゃんと出航出来ます。でも、そうすると、また、暫くは皆に会えなくなりますね」
 「あぁ・・・そうだな。じゃぁ、俺はこれから、それぞれのオフィスを回って挨拶してくる」
 「はい・・・お帰りはいつぐらいになりますか?」
 「昼食はケスラーとメックリンガーと取る事になっているから・・・。16:00<ヒトロクマルマル>には、一旦、ここに戻る」

 ワーレンは、様々な物資を積み込まれている、旗艦「火竜<サラマンドル>」の雄姿を見上げた。
 

 午後4時、僚友達に一通りの挨拶を済ませたワーレンは中央宇宙港に戻って来たが、連れがいた・・・ミュラーである。


 「どうだ。順調か、ハウフ?」
 「はい、順調です。今、水や食料を積み込んでいますが、それが終われば後は何も。後は、明日、我々が乗り込むだけになりますよ、閣下」
 「・・・そうか。悪いが、これからちょっとミュラーと出かけるから、何かあったら、携帯ヴィジホンに頼む」
 「はい、閣下」


 ハウフの敬礼を受け、ワーレンはミュラーとともに、ゆっくりと歩き出した。


 今日も昨日と同様に過ごしやすい日であった。
 小春日和というやつだ。

 
 「・・・これから行く所は、宇宙港の外れの寂れた路地にあるんだ。今日は天気がいい。少し歩くのは構わないだろう?」
 「ええ・・・」


 2人はごみごみと入組んだ、少し治安の悪そうな路地裏を行く。
 気をつけないと見過ごしてしまいそうな、小さな看板の赤レンガの店。


 「・・・よくこんな店を知っていますね・・・」


 ミュラーは目を丸くした。
 見落としてしまいそうな小さな入り口・・・。


 「この店を最初に見付けたのは俺じゃない。・・・ルッツなんだ」
 「ルッツ提督が・・・」


 口の中で小さく呟くミュラー。
 ワーレンは、新領土<ノイエ・ラント>のハイネセンに戻る為に同僚に挨拶をし、一番最後に会ったのが、元帥の中で一番の年少者のナイトハルト・ミュラーだった。


 「・・・今日これから時間があったら、卿を連れて行きたい所があるんだ。何の予定もなかったら、俺に付き合ってくれないか?」
 「はい、構いませんが」


 ワーレンに言われたミュラーは、この日はさほど忙しくもなかったので急遽仕事を切り上げた。
 そして、「何かあったら、携帯ヴィジホンに連絡をくれ」と、副官のドレウェンツに頼んで、ワーレンと2人で早々とオフィスを出たのだ。
 一旦、出航準備をしているワーレンの旗艦の「サラマンドル」に立ち寄ってから、目的地まで歩いているという訳だった。
 ミュラーは、行き先は「居酒屋」としか聞いていなかった為、まさか、こんな店だとは思わなかったのだ。


 「ここはな、夜7時過ぎてしまうと、港湾労働者達が・・・どっとやって来る」
 「え、労働者・・・ですか?」
 「あぁ、本当にドヤドヤ・・・と。そうすると一気に騒がしい店になるのだが、仕込みの終わった直後から夜7時ぐらいまでは誰もいないんだ。そのギャップが面白い。だけどな、さすがに労働者に混じって・・・もアレだからな。俺達はたまに・・・早めに仕事を切り上げて、ここで良く飲んだんだ」
 「・・・へぇ・・・」
 「料理も酒も美味い。それにマスターも感じが良い人で飲んでいて気分が良いんだ」


 年上の同僚の意外な行きつけの店の存在。
 ミュラーは赤レンガを指で軽くなぞった。


 「さぁ、入ろう、ミュラー」


 ミュラーが頷いたので、ワーレンはゆっくりとドアを開けた。
 カラン、カランと、心地良いドアベルが鳴り響く。




 「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」


 マスターはにこやかに微笑んだ。


 「・・・今日はミュラーを連れて来た」


 昨日、同僚を連れて来ると宣言していたワーレン。
 マスターはゆっくりと頷いた。


 「・・・お名前は良く知っておりますよ。お若いのに、既に宇宙艦隊司令長官でいらっしゃる」


 そう言って、マスターは先月の29日付けの電子新聞を差し出す。
 一面に載っているのは大規模な演習からの帰還直後、旗艦「パーツィヴァル」のタラップから手を振るミュラーの写真・・・。


 『いいですか、閣下。沢山の報道関係者が来ていますから、出来るだけ愛想良くして下さいね』


 副官のドレヴェンツに言われて、思わず顔を引き締めるミュラー。
 
 『その通りです、閣下。いいですか、閣下は宇宙艦隊の顔なのですから』


 参謀長のオルラウにまで念を押されて、溜め息をつきながら・・・仕方なくポーズを取るミュラー。
 まさか、こんなにデカデカと新聞の一面を飾る事になろうとは思ってもみなかったミュラーは翌日の新聞に辟易した。
 そして、忘れていた頃に、今日・・・これをまた見ようとは・・・赤面して俯く。
 小さく息を吐いて、肩を竦めた。


 「・・・ほう。先月末に卿がやった軍事演習の記事か?」


 その記事を読んでいないワーレンは、物珍しそうな表情で電子新聞を取り上げた。


 「あぁ、こんなにアップで写っているなんて恥ずかしいです。オルラウが『閣下は宇宙艦隊の顔なのですから』などと言うので、必要以上に笑顔にならざるを得なくて。あの・・・あんまり見ないで欲しいんですが・・・」
 「・・・ふむ。結構、写真うつりがいいんだな。・・・卿も帝国を背負って立つ重臣で、有名人という訳だ」
 「・・・からかわないで下さいよ。こんなの・・・いくら写真うつりが良くても、恥ずかしいだけなんですから・・・」
 「知っているか?卿は女性に人気があるのだそうだ。どこかの雑誌で見たとケスラーが言っていた」
 「冗談でしょう?女性にもててもそんなに嬉しくありませんね。あまり興味がありませんから・・・第一そういうのが苦手ですし」


 ミュラーはそう答えて肩を竦めた。
 ワーレンは「おい、おい・・・勿体無い。その若さで隠居じみた事を言うもんじゃない」とからかう。

 ミュラーは、その若さと、人目を惹く穏やかな容貌で、実は、世の女性にかなり人気がある。
 実際、数社が発行している雑誌での人気投票で、有名な俳優に混じって、ミュラーは上位に入っていたのだ。
 それはミュラー自身も知っていたが、だからといって自分から積極的に行動を起こそうと考えた事はなかった。 
 彼自身は、中尉時代の手痛い失恋を引きずっていて、それ故に女性に積極的になれず、未だに独身を貫いているのだった。
 ミュラーは本当に気恥ずかしかったのか、電子新聞を奥に押しやって、困惑気味であった。
 
 元帥と言う身分でありながら、とてもそうは見えない優しげな青年・・・それが万人から見たミュラーの印象だった。
 長身ではあるが、どちらかというと細身で、砂色の髪と砂色の瞳が彼を軍人っぽさから遠ざけているのかもしれない。
 度重なる戦傷のせいで左肩が心もち下がっているが、それさえ、自分から言わなければ気付かれない程度だ。


 ミュラーはもう少し自分の容姿に自信を持つべきだ・・・と、ワーレンは本気で心配していた。



 カラン、カラン・・・。
 軽やかなドアベルの音とともに、籠いっぱいの玉葱を抱えてコンスタンツェが入ってくる。


 「・・・父さん、これでいい?仕込み最中に玉葱が切れた・・・なんて、ちょっとボケているわよ!!」
 「・・・おい、俺はそんなに年を食ってないぞ。ほら、もうお客様が起こしなのだ。ちゃんと挨拶をしなさい、挨拶を・・・」


 玉葱の籠を受け取りながらマスターはやんわりと言う。
 コンスタンツェは、カウンター席のワーレンとミュラーに目を止めて真赤になった。
 そして、ばつが悪そうに肩を竦めて微笑んだ。


 「えっと・・・いらっしゃいませ、ワーレン閣下。あ、今日はミュラー閣下もご一緒なんですね。はじめまして、ここの娘でコンスタンツェと申します」
 「あ・・・いや、こちらこそ、はじめまして」


 ミュラーは軽く頭を下げた。
 2人は初対面であるが、コンスタンツェの口ぶりでは、ミュラーの顔を知っているようであった。


 「あぁ、そうだ。コンスタンツェ・・・表にこれを出してくれ」


 マスターに木の札を手渡され、コンスタンツェは「分ったわ」と頷いた。

 「どうかしたんですか?」
 尋ねるワーレンにマスターは「いや・・・なに。せっかくですから、ゆっくり飲んで頂こうと思いましてね。昨日も7時ちょっと前に慌しくお帰りになられたでしょう?この店は、遅くなるとアレですから」とマスターは苦笑した。
 7時過ぎにやって来る港湾労働者達は良くも悪くもがさつな男達が多い。
 明るいのは良いのだが、彼等がいては、ゆっくりと落ち着いて飲む・・・という雰囲気ではなくなるのだ。
 
 「ですから、貸切の札をね・・・」
 「あぁ、それはありがたい」


 ワーレンは、マスターの気遣いに感謝した。


 「フロイライン、昨日はありがとう」


 表から戻ったコンスタンツェにワーレンが声を掛けると、彼女は手を拭きながら、はにかんだ笑顔を見せた。


 「いえ・・・。ちょっとお耳汚しだったかしら・・・と、不安でいっぱいだったんですよ、実は・・・」
 「いや・・・。あれは素晴らしかったよ。何と言うか、あの曲は心に染み入る名曲だな・・・色々と考えさせられた」
 「一体、何の話なんです?」


 話が全く見えないミュラーは、怪訝そうな顔で横から口を挟む。
 ワーレンは、昨日の出来事をかいつまんで説明した。


 「追悼に相応しい、心に染み入る名曲ですか。それなら、その曲・・・小官も聴いてみたいですね」
 「・・・じゃぁ、また歌いましょうか?」
 「・・・そうだな。でも、他のリクエストもしたいな」とワーレン。
 「ワーレン閣下ばかりがリクエストですか?ずるいです。新しい歌のリクエストは小官に譲って下さい」
 「・・・じゃぁ、リクエストは卿に譲るとするか」


 苦笑まじりに言うワーレン。
 ミュラーは妙なところで子供っぽい事を言うのだ。

 
 「・・・ルッツ提督は小官の命の恩人なんです。あの時、惑星ウルヴァシーで彼がいなかったら、一体どんな事になっていたかと思うと・・・考えるだけで本当に恐ろしい」


 ミュラーは小さな溜息を漏らす。


 「小官も陛下も彼ががいたからこそ、生き長らえた訳で・・・」
 「・・・あぁ、そうだったな」


 射撃の名手であったルッツは、撃たれて負傷したミュラーや他の者に皇帝陛下を守るように託して、たった1人・・・その場に残って戦ったらしい。
 そして、皆が逃げ切ったところで・・・凶弾に倒れたのだ。


 「だから、ルッツ提督には、どんな形にせよ、今度は幸せな形で生まれ変ってほしいんです。残された人の為にも・・・次の人生では、絶対に幸せになって欲しいんです・・・そうでないと・・・」


 ミュラーの声音は硬い。

 ワーレンは微妙な顔つきでミュラーを見つめた。                   

 残された人・・・。
 ルッツの婚約者であった、フェザーン中央病院の敏腕看護婦のクララ・アインシュタイン嬢。
 噂では、友人達に、一生結婚しないと誓ったらしい。
 だから、ミュラーは強く思うのだ。
 今度生まれ変わるであろうルッツの魂には、彼とその周りも“幸せの光”に包まれて欲しいと・・・。
 ミュラーは、急に黙り込んで、水割りのグラスにほんの少し口を付けた。


 「あの時、最後まで残ろうとしたのは小官だったんです。兄とか・・・親戚はいますが、小官は独身ですから真に守るべき家族はいません。ですが、ルッツ元帥には婚約者がおられた・・・だから、残るのは自分しかいないと。しかし、小官には直前に受けた銃創がありましたし、銃の腕前は、ルッツ提督の方が遥かに上で・・・。それで、ご自分が残ると言い出されたんです・・・。何と理不尽な・・・逆なら良かったのに!と何度思った事か。未だに夢を見て飛び起きてしまいますからね・・・あの時の事は」


 ミュラーの声はいつになく低い。
 しかも絞り出すような口調・・・本当に、夢を見てしまうのだろう。
 あれから4年も経っているのに。


 「辛い・・・記憶だな」


 ワーレンはしみじみと呟いた。
 ミュラーが残ろうとしたのは、ルッツには婚約者があり、ミュラーは独身だったから・・・確かにそのとおりなのだ。
 だが、結果的に残ったのはルッツで、それが結果的に皇帝一行を護る事になったのだが、悲劇をも生んだのだ。
 過酷な運命で・・・恋人達は永遠に引き裂かれたのだ。  

 
                
 「・・・癒されるかどうか分りませんが、ぴったりの歌があるわ。これも同じ友人から教わった歌ですけど・・・」


 コンスタンツェの突然の提案。
 「ほう・・・」とワーレン。
 「『秘密の花園』というんですけど、私、この歌、とても好きなんです。それでいいでしょうか?」
 押し黙ったままのミュラーを気遣いながら言うコンスタンツェ。
 「じゃぁ、それを頼もうかな・・・。リクエストしたいけど、急に曲が浮かばないしね」とミュラーは微かな笑みを浮かべた。
 コンスタンツェが頷いて、少しマスターの方を見る。
 彼も、「歌いなさい」と言うように僅かに口を動かしたので、彼女はピアノの前に座った。


 そして・・・。
 ゆっくりと鍵盤の上に白い指を乗せ、透きとおる歌声を響かせた。




 色とりどりに染まる夢と
 遥か彼方の遠い世界
 天国でも地獄でもない
 夢想花 咲き乱れる園
 
 白い花の少女達は眠りについて
 光とともに未来<あす>を見てる
 
 ほのかな香り 溶ける心
 めぐる輪廻の藻屑と消え
 天国でも地獄でもない
 魂の行きつくところ


 名前を捨てた 戦士達の
 彷徨<さまよ>う Cristal soul
 色を流して花となれよ


 Blossom dreem 迎えが来た
 未知なる時代へ


 黄泉<よみ>の国の不思議な夢も
 忘却の彼方へ


 何事もなかったように 
 目覚める Babyhood
 ただの幻と思えばいいさ


 Secret dreem 染まった身を 
蕾<つぼみ>に託して


 Blossom dreem 迎えが来た 
未知なる時代へ
 
 忘却の花園へ





 「素晴らしい曲ですね・・・」


 聴き終わって、ポツリと呟くミュラー。


 「ルッツ提督は、ご自分の身を呈して陛下を窮地から救い出し、そして、我々をも救って下さった。だから、まさに戦士という訳なのですね・・・」


 ミュラーは言葉を噛み締めながら言う。
 ワーレンも「・・・戦士か」と、感慨深そうに呟いた。


 「私・・・上手く言えませんが、ルッツ提督が戦士なら、きっとヴァルハラに行っているはずだと思いますわ」


 コンスタンツェはこう言って、ミュラーの隣に腰掛けた。


 「今、こうしている間にも、また誰かの子供として、生まれ変わって、新しい人生を歩まれるかもしれないわ」
 「・・・そう願いたい」


 ワインに口を付けたワーレンがしみじみと呟き、ミュラーも軽く頷いた。


 「そうですね。そして、また射撃の名手になって名を馳せるかもしれませんね・・・。そうなってもらいたいですね」


 ミュラーは水割りのグラスを掲げて呟いた。


 「何にしても、人の為に命を落とされた方は徳が深く、次の生では幸せになれると聞いた事がありますよ」


 マスターは、空になったワーレンのグラスに、ルッツの好きだった赤ワインをゆっくりと満たす。


 「古い宗教で、『輪廻転生』と呼ばれるものだそうですが、私もルッツ提督は生まれ変わっても、今までと同じような素晴らしい生を歩まれると思いますよ。本当に良い方でしたからなぁ・・・」


 マスターはしみじみと呟いた。


 「・・・心に染み入るこんな素晴らしい歌が聴けて、今日もここに来て、本当に正解だったな」


 ワーレンもしみじみと呟く。


 コンスタンツェは、「それじゃぁ、次は昨日も歌った『Ein Requiem』を・・・また歌いますね」と、立ち上がると、またピアノの前に座った。
 物悲しいメロディーだが、亡き人を偲ぶ、美しい旋律。
 ミュラーもワーレンも感動していた。


 「フロイライン、本当に今日は良い思いをさせて頂きました。・・・また、飲みに来ますね」


 ミュラーが言うと、マスターは、「いつでもどうぞ」とにこやかに微笑んだ。
 そして、「7時以降は物凄い状態になりますから・・・早い時間にお越し下されば幸いです」と付け加えた。
 「はい、そうします」とミュラーは微笑んだ。


 ミュラーの言葉に、コンスタンツェは微笑んでピアノに向かい、ゆっくりと、ノクターンを弾き始めた・・・。




Das Ende




 ルッツ追悼第2弾・・・前作の続きで、翌日の話です。
 ワーレンとミュラーが書きたくて書いたのがバレバレですが・・・。

 この曲にあるように、「色を流して」生まれ変わってほしいです、ルッツには・・・。


 タイトルは・・・「輪廻転生(鎮魂歌)」です。


 この曲も聖飢魔Ⅱで3枚目のアルバム、「地獄より愛をこめて」の中の1曲で「秘密の花園」でございます。
 美しい旋律のバラードで、作詞がデーモン小暮閣下で、作曲はジェイル大橋代官という、かなり初期の曲です・・・。


 「天国でも地獄でもない」場所で、今、まさに生まれ変わる準備をしている魂の歌なんです。

 なので、ヴァルハラっぽいかなぁ・・・って。(ヴァルハラっていうより、「喜びの島<マグ・メル>」に近いかも?)


 マグ・メルってのは、ケルト神話に登場する島で、「戦士達等が、死や栄光によって行きつく事の出来る場所で、喜びがあふれた天国のような場所」です。

 ケルト神話を扱った、あしべゆうほさんのマンガ「クリスタル・ドラゴン」なんかにも、この島は登場しますね・・・。(「マーグメルド」として描かれているけど)

 まぁ、ルッツにはピッタリな歌かも・・・って思いました。


 閣下の歌詞は悪魔を超越してますし、聖飢魔Ⅱのバラードの中で名曲でしょう、これは・・・。


 さて、ミュラーは、ルッツの行きつけだったこのバーに密かに通う事になるのでしょうか?


 1人、2人で飲むのにはいいですが、7時以降は労働者が来るので落ち着かないでしょうね。
 ビッテンフェルト辺りと来るなら、7時以降が狙い目ですけどね。
 きっと、あのオレンジ色の猪さんがいたら、労働者達と、どんちゃん騒ぎになるでしょうね。


 だから、マスターは「早い時間に」とね。


 友人は、コンスタンツェとミュラーがいい関係になったらいいと思う!!とか言っていたのですが、コンちゃん・・・も10代ですから、一歩間違うと、ケスラーとマリーカのようになってしまいそうです。


 それに、私の中では、ミュラー君とビッテンフェルトは生涯独身って設定にしちゃってますので、それを曲げてまではどうなんだろう?


 そんな訳で、恋には発展しません・・・ワーレンはくっ付けたがっているようですが・・・爆!


 さて、「ウルヴァシー事件」ですが、この回のセル画をうさけ・・・持ってます。

 さすがに、ルッツが撃たれるところのセル画は入手はしませんでしたが、それ以外のシーンはちょこっとあります。
 マインホフ兵長のとか、背景付きのセル画もあります。


 夜で、周りが炎に包まれているので、この回のセル画は・・・皆の顔はオレンジ系でまとめられているのもレアかも。


 パラパラマンガみたいなセル画があって、パラパラやると、豆粒みたいなルッツ(顔はハッキリと描かれていない)があちこちに移動する・・・なんてのも。

 今となっては、「銀河英雄伝説」のセル画は貴重です。


 それほど持ってはいませんが、ルビンスキーが赤ワインのグラスを持っているのとか・・・レアかも?(フェザーン自体がそんなに出ないから)


 あと、誰だか分からないけど、地球教徒のセル画も、ある意味でレアかも・・・。

 このセル画はね・・・ワーレンのセル画を通販で購入した時に、「オマケに差し上げます」と言われて頂いたモノなんですが、私的には、「サラマンドルに乗りこんでいた地球教徒」を思い出し、「ワーレンを暗殺しないでね」って感じで驚いたのを覚えてます・・・何故、ワーレンに地球教徒なのよ!!