心屋認定カウンセラー タケコこと
竹嶋 しょうこです。


日曜日、とある本についての講演会に

行ってきました。




私の身近な人にも関係するので

詳しい内容については避けますが、

講演された方が、とっても穏やかな語り口で、

知的な雰囲気で、学生の時にお世話になった

先生を思い出しました。


 

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      個人カウンセリング






I先生は、私が大学時代に心理学を学び、
スクールカウンセラーを目指している時に、
「せっかくだから教員免許も取ろう」と
併せて教職課程を選択した時に教わった。



長年、中学の社会科の教員一本で来たI先生は
50歳を過ぎてから、「今後の教育のために
もっと勉強しなければ」と思い立ち、



働きながら、毎日夜喫茶店などで勉強をし、
大学院に入ったという、教育への情熱に
溢れた人だった。



その物腰は柔らかで、でも一旦語り出すと
溢れる情熱が誰にも伝わってくる、
そしてお酒が大好きで、学生と一緒に飲む
ことが何より大好きな人だった。



そんな先生に約10人の私たち教職課程組は
魅了され、早速飲み会を実施し、
先生の教育論を聞くのが楽しみだった。



私は次第に
「I先生みたいな先生になりたいなぁ」と
思うようになり、自分の将来の方向性を、
スクールカウンセラーではなく、 
教員へと変えることにした。



I先生は授業の中で、自分が、都内の下町の
一角にある「自主夜間中学校」の運営に
関わっていることを教えてくれた。



夜間中学校というのは、山田洋次監督の映画

学校学校
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でも取り上げられた、昔、事情があって
勉強できず、中学に通えなかった人たちが
通う、公立の中学の、いわゆる夜間部。



映画の中では田中邦衛さんが、ずっと字を
読めないで大人まで来た方を演じたり、
非行に走った少年役で、萩原聖人さんが
出演されていたりした。



ただ、この夜間中学はあくまで中学を卒業する
ための存在。



例えば不登校で中学に1日も通わなかったと
しても、卒業証書をもらえてしまう日本で、
中学の勉強をできなかった人たちや、
今から学びたいと思う人たちのための場所を
作りたいと願って、I先生たちが有志で
立ち上げたのが、その自主夜間中学校だった。



私のような学生ボランティアが数人と、
日本語を学びたいという外国人の
女性と、不登校で1日も学校に行かなかった
人と、時々やって来る、いわゆる非行の
中学生たちと、主催である先生たちとの
ごく小さな集まりだった。




主催のご夫婦が、これまた有志で
貸してもらった民家で、
都合のつく時に集まって勉強をしたり、 
学校の宿題をしたり、
終わった後はごはんを出してもらって
みんなで食べる、とてもあたたかな
場所だった。



私は週に1回、片道1時間をかけて通い、
行っても生徒は誰もいなくて、同じように
I先生に惹かれて来た、他大学の教員志望の
学生と仲良くなって、話して、ごはんを
食べるだけの時もあった。



先生とは大学の講義の後に、一緒に
自主夜間中学に行ったり、その乗り換えの駅の
回転寿司屋で「一杯やっていきましょう!」と
言ってもらって、友達とご馳走になったりした。


夏休みには、先生の勉強会に 
付いて行かせてもらったりもした。



まだ自分は学生なんだけど、先生は敬語で、
いつも一人の大人として、きちんと
扱ってもらったように覚えている。



そんな大好きな先生に教わって、教員を
目指して進んだ私だったけれど、
いざ教壇に立ってみたら、情熱ばかりで
社会科の知識がなく、
圧倒的に勉強不足だった。



そして、自分でも気づいていなかったけれど、
一度に大人数を指導するというのは
私のとても苦手なことだった。



なんだかんだ約5年講師を続けて
ようやく自分には「大勢を指導すること」は
合わないのだと諦められ、
自分の得意な事務をやりながら生きて行こうと
決め、その後今の夫と知り合って結婚する
ことになった。



迷ったけれどI先生にもお願いして
結婚式にも来てもらい、来賓のスピーチも
お願いした。



先生は恐縮しながらも、とっても喜んでくれ、
「埼玉のお父さん」である先生が
来てくれたことに、私は感激した。



先生とはその後、年賀状だけのお付き合いに
しばらくなっていたのだけど、数年前
いつも印刷の絵に添えられていた手書きの
言葉がなくなり、少し心配したものの
「お忙しいんだろう」と考えていた。




私も義父を、翌年に3歳の長女を亡くし、
自分のことで精一杯になっていた。



そんな年の年末、l先生の奥さまから、
先生が少し前に亡くなっていたことを
知らせる喪中ハガキが届いた。



先生の優しい声と、姿を思い出して
「もう会えないのか」と涙が溢れた。



翌年の2月、2歳だった次女と夫と一緒に
初めて、都内にある先生のご自宅に伺い、
お線香をあげさせてもらった。



手書きの言葉が添えられなくなったその頃から
先生はある病気にかかり、だんだん動かなく
なる自分の体ではあるけれど、今できることを
やると決めて、引き続き精力的に
活動されていたそうだ。




亡くなる数ヵ月前も、ある大学の
将来医者になる学生たちの前に立ち、
ご家族の協力を仰ぎながら、車イスに乗り、
口の動きだけで文字が書けるパソコンを使って
患者からの立場で講演会をしたと
奥さまが話してくれた。




電話でお話した際に、晩年は話すことが
できなかったとのことを伺ったので、
私の結婚式の時の先生のスピーチ部分を
夫に頼んで編集してもらい、DVDにして
持って行った。




とても温かくて、優しくて、人が大好きで
何事にも全力で向かって生きていたI先生。



先生が結婚式の時に、夫に
「竹嶋さんは外で輝く人だから、ぜひ外に
出してあげてくださいね」と言ってくれた
ことをついさっき思い出した。



そして、私自身が
「それぞれでいいんだよ」という世界に
いたことと、次女が今学校に行かない選択を
していることも、何だかご縁があるのかも
しれないなぁと思った。



I先生に似た、とても素敵な方の講演会も
やっぱりあたたかい雰囲気で、
今はもうなくなってしまった自主夜間中学校の、あの懐かしい空気を思い出した。


 
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