やっと下級三隊の天使さんのまとめに入り、お馴染みのお名前や芸術作品も浮かぶようになります。
第九階級はそのままずばりの「天使」という階級。
エンジェルズと呼ばれる、人間にもっとも近い天使さんとされています。
人間は生まれる時に、誰にでも天使がついている、と言われるそうですが、その天使さんはこの階級に入ります。
下級三隊の天使、権天使、大天使、天使は人間に関わる問題を司る、ということで幻視などに登場することで、宗教芸術やアートに表現されることが比較的容易なんでしょうか...。

天使の姿は、二枚の翼を持ち、兵士の姿か聖職者の上着を見ているものとされているそうです。
そして十字架のついた王冠をかぶっていることも多いのだそうです。
中世後期には、色々な姿で描写されることも多くなり、ろうそく、楽器、巻物、楯などの持ち物が描かれることが多くなったそうです。
なんと!羽で出来た衣装を着た姿、というのも存在しているそうです。(興味がわいて調べてみましたが、どんな絵かも分からないのです...残念...衣装で表現ってスゴイですよね!!)
特定のお名前が登場することもより少なくなるようです。
守護天使、とされる方たちにはお名前が出されることも少ないですものね...。
イスラム教にも天使の存在がよく言われているのですが、守護天使とされるお仕事を持つ方の描写もあるそうです。

手元の資料を参考にしていたら...面白い記述を見つけました。
まず、守護天使というのはカトリック教会での特徴的な存在なのだそうです。
ユダヤ教とキリスト教に共通に存在する守護天使は、ゾロアスター教のフラヴィシ、アッシリアのカラブ、ギリシャのダイモン、ローマの守り神などのような「守護する」という役割を持った存在と同じ、ということだそうです。
万国共通の守護霊的考え方によるもの、と書かれています。
文化的背景によって表現や姿は変るけれども、人間が生きていく時に心に浮かぶ、いつも側にいる存在、ということになるんでしょうね...。

The Wounded Angel
☆under the Polar Star☆-The Wounded Angel
Hugo Simberg
1903年の絵画なので、より自由な表現で描くことが可能なので、こういう表現がまた斬新ですね...。

ちなみに、天使というと赤ちゃんの姿で翼を持つ姿を思い浮かべる方も多いかと思います。
その描写について...。

☆under the Polar Star☆-天使

こちらのイメージの存在さん、実はプットというお名前を持っています。
初期ルネサンスの教会美術に登場し始めた表現で、新訳聖書の中でも特に牧歌的な場面やキリストの降誕などで描かれてきた存在です。
無垢と純潔の象徴で、2人一組であることも多く、楽しそうに踊ったり音楽を演奏している姿がよく見られます。

☆under the Polar Star☆-「音楽の天使」
「奏楽の天使」ソッロ・フォレンティーノ

実は愛の神エロスとローマ神話の葬式に使われる翼のある少年エロテスをイメージしてデザインされたのだそうで、天使ではないんです。
想像の域は出ませんが...愛らしい姿やピュアなイメージは描く側からすると、使いたい表現としては魅力がとてもあったのだと思います。
どんどん教会美術の中の登場が増えてきて、天使と同一視されるようになったのだとか。
その反面、資料本によると、神学思想においての天使の重要性が認められなくなっていった要因のひとつともされているそうです。
つまり...あまりにイメージ先行でやりすぎちゃった~...で、神秘的な部分やその元の象徴の意味が薄れてしまった、ということでしょうか...えーーーん
あまりに身近にしすぎるのも考え物、という表現をこの資料本でよく眼にします。
身近な方が良いのか...それとも畏れ多いと感じる、人間が踏み越えられないある種の神々しさを尊ぶ方が良いのか...ここは難しいテーマとなりますね...。

お世話になっている分厚い本。
たっくさんのことが書かれていて、発見も多い本です。
☆under the Polar Star☆-天使の百科事典
図説 天使百科事典 (ローズマリー・エレン・グィリー著)



「東北関東大震災」支援クリック募金

東日本大震災緊急支援募金募集中。国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン

゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆

にほんブログ村 ライフスタイルブログ クリエイティブライフへ にほんブログ村 美術ブログ パステル画へ