歯が悪く、食べるときに痛みがあったり、食べづらさがあったりするうさぎさんにおすすめのフード・ペレットの選び方とごはんの作り方を紹介します。不正咬合や口腔トラブルで困っているうさぎの飼い主さんはぜひ参考にしてください。

 

このページに掲載しているフード・ペレットは、実際にウサマミレ宅で使っているものばかりなので、もっと詳細が聞きたいなどありましたら、コメントか問い合わせいただければお答えできる範囲内で回答いたします。

 

小粒・細いタイプで食べやすいフード

小粒または細いタイプのフードなら、うさぎが口を大きく動かさなくても食べやすいです。

GEX ラビットプレミアム

アルファルファベースのフードで、小粒で細いタイプになります。サクサク系の食感でとても食べやすいです。バニーセレクションと比較しても、ひとまわり小さいくらいなので、動かすと口が痛くなるうさぎさんでも食べられる可能性が高いと思います。


※カリカリの状態。細かいながらも繊維がしっかり入っていることも確認できる。


※ラビットプレミアムをふやかした状態。ひとまわり大きくなり、ふかふかな手触りになった。ふやかしても食べやすい大きさ。

バニーセレクションプロ シリーズ

通称バニセレプロで知られているバニーセレクションプロシリーズは、GEXのラビットプレミアムよりも少し太めになります。とは言え、小さめのフードなので、そのままでも十分食べやすい大きさではあります。サクサク系ではあるものの、少し固い印象。ふやかした状態でも、少し固い。ただし、手で簡単に潰れる程度ではあるので、できるなら繊維質も高いバニセレプロをおすすめします。


※写真は、ミックスヘイ。カリカリの状態。繊維が豊富なことがわかる。


※バニセレプロをふやかした状態。ひとまわり大きくなり、ふっくらとしている。芯が残る感じがあるため、10分以上置くことをおすすめする。

まあまあ小粒で食べやすいフード

GEXのラビットプレミアムとバニセレプロよりもひとまわり大きめのフードです。

サンコー ラビットプラス ダイエットライト

巷で人気のラビットプラスダイエットライト。嗜好性が高いという口コミを見て購入したものの、もちぶろうは見向きもしませんでした。GEXのラビットプレミアムとバニセレプロよりもひとまわり大きくはありますが、それでも十分小さいフードなので、食べやすいと思います。サクサク系で噛みやすいタイプになります。ふやかした状態だとふんわりふやけてくれて、より食べやすくなりました。


※カリカリの状態。繊維もしっかり入っていることがわかる。


※サンコー ラビットプラス ダイエットライトをふやかした状態。ふかふかな手触りなので、口当たりもよいと考えられる。

歯が伸びている・トゲがなければ食べやすいフード

ここで紹介するフードはもちぶろうも大好きなのですが、臼歯が伸びてきたり、痛かったりすると食べられなくなります。なので、不正咬合や口腔内トラブルがあるうさぎさんの場合は、ここで紹介するフード+小粒タイプの食べやすいフードをあげることをおすすめします。小粒タイプをプラスするのは、食べられなく・食べにくくなったときに食べてもらうためです。うさぎの場合、急に食事内容を変えることはできないため、少しずつ小粒タイプのフードを混ぜて慣らしておくことが大切です。

ウーリー シルバーブルーム

水を足すと他のフードよりも早くふやけてくれます。2分あったらほぐれてしまいます。個人的には、ふやかしごはんには向いてないかなと思いました。もちろんうさぎさんが食べてくれるのであれば、ふやかしてもいいと思います。

ただし、ブルームシリーズはうさぎの咀嚼回数を増やすことを目的のひとつとしているフードのため、歯が伸びていたり、口腔内トラブルがある子だととてもつらい食べ物になると思います。いつも食べているのに急に食べなくなったり、食べていても痛がる様子を見せたりしたら、歯が伸びてきたかな?と判断材料にすることもできます(ウサマミレ宅ではそうしています)。


※カリカリの状態。と言っても、ふかふかですが…。ベースがとてもほぐれやすいふかふかのフードなため、カリカリ状態でも食べやすい構造ではある。


※シルバーブルームをふやかした状態。べちゃべちゃの状態になってしまう。繊維も大きので、シリンジで流動食として使うのは難しい。

うさぎのきわみ

お団子やペーストにしやすいのは、うさぎのきわみです。もちぶろうも、獣医師からもおすすめされて、ずっとこのフードを食べてもらっています。小麦粉は入っていないものの、ふやかしてペースト状にしたときに他のフードよりもペタッとする感触があります。このペタペタが歯について痛がる可能性もあるので、注意も必要かなと思います。もちぶろうもたまに痛がるので、そういうときは水の量を増やしてさらにゆるくしたり、ペタペタしないようにつぶさずそのままの状態であげたりすることもあります。


※カリカリの状態。長めで太いペレットなので、口などに痛みがあるうさぎだとそのまま食べるのは難しい。


※うさぎのきわみをふやかした状態。つぶさない状態のほうが食べやすい場合もあるので様子をみながら調整すると良い。

ふやかしごはん(ペレット)はぬるま湯で作るのがベスト

水よりもぬるま湯の方が早くふやけるのと、水よりも滑らかになるなと思いました。水だと芯が残ってしまうこともあり、うさぎに痛い思いをさせてしまう可能性もゼロではありません。もちぶろうもそうで、芯が残っているととても口を痛がります。なので、できればぬるま湯でふやかしてあげるのがベストと言えます。また、フードに入っている繊維もぬるま湯を使ったほうが柔らかくなるため、口当たりが良くなります。

ふやかしごはん(ペレット)は焦らず作ること

置き時間は10分程度。早すぎても芯が残った状態になってしまい、滑らかなペースト状にはなりません。ふやかしたままのフードの形を残した状態であげる場合も同様で、芯が残ってしまわないように注意しましょう。ただし、ブルームシリーズは2分程度でほぐれてしまうため、芯が残る心配はなさそうです。

ふやかしフード(ペレット)にふりかけをかけるのもあり

今までカリカリ状態で食べていたものが、ふやかし状態になると香りも強くなるため、食いつきが良くなる場合もあるとは思います。ただし、うさぎさんによっては、なんかいつもと違うものが出てきた!となり、食べてくれないこともあります(もちぶろうがそうでした)。

ウサマミレ宅の方法ではありますが、食べてくれないときは”ふりかけ”をかけてあげると食べてくれることがあります。おすすめのふりかけは、うさぎのチカラ・ちからのチカラ、アクティブEなど。うさぎさんが好きなサプリメント等をクラッシャーで粉砕してふやかしたフードにかけてあげましょう。


※愛用中の松吉医科器械 マツヨシ錠剤クラッシャー。蓋をしてひねるだけで簡単にサプリを粉砕できる。


※中にアクティブEを入れた状態。複数入るが、1つずつの方がきれいに粉砕できる。


※粉砕した状態。

食べやすさだけではなく、繊維量にも注目しよう

今回紹介したフード以外でも、すでにうさぎさんが好んで食べてくれているものがあるなら、それをふやかしてあげるのも良いと思います。もし、これからフードを選ぶのであれば、より繊維量が多いフードを選ぶとうさぎのお腹に優しいです。フードのパッケージ裏には繊維量が書いてあるので、「粗繊維」が何%か見てから買うようにしましょう。

粗繊維が少なめのフードをあげるなら、牧草代用ペレットも使って繊維をたくさんとってもらいましょう。

 

その子その子にあった食べやすいフード・ペレットを選んであげましょう

人間もそうですが、口腔内トラブルがあったり、高齢で食べにくくなったり、いろんな事情で食べることが大変になる場合もあります。うさぎはいかに食べていいうんちをするかが重要なので、食べることがつらいと思ってしまわないよう飼い主さんがしっかりサポートしてあげる必要があります。

 

選んだフードをなかなか食べてくれなかったり、ふやかしごはんが気に入らないとお皿を投げられたりすることもあるかもしれません。でも、怒らず、焦らず、諦めずサポートしてあげてくださいね。