この時期の気候は気まぐれだ。
過ごしやすいと思えば暑く、でも夜はまだ寒い時もあり体調も崩しやすい。


ある夜、仕事で疲れて帰ってきて倒れるようにベットへなだれ込んだ。
途中、寝る前にお酒を少し飲んだせいか喉が渇き目が覚めた。



あーもう。
翔君が自らベットに入ってきて俺の隣でコロコロしてる、そんないい夢見てたのに眼が覚めるなんて…
夢って続き見れるんだっけかな?
なんて思いながらふと横を見ると、広いベッドにこんもりと固まりがあった。
その、まあるい後頭部で愛しい人だとすぐにわかる。
ってより、翔君じゃなかったら不審者以外の何者でもないんだけど。

しばらくフリーズするも、頭が冴えてくうちにわかってきた。

つまりだ。
さっきの幸せな出来事は、夢じゃなくて現実だったってことなんだ。



『寝付けないし、眠れない』

そう言って、大きな瞳を擦りながら欠伸をする彼を何度か見てきた。
その度に一緒に寝ようよと提案した。

『人と一緒だと熟睡できないから無理』

恋人に向かって、なんてつれない返事なんだろう?

『なんでだよ!おいでよ』とめげずに言っても、その次は知らん顔する翔君。
このやり取りを何度交わしただろうか?





眠っている彼のTシャツがはだけ、少しだけ肌色の部分が見えていた。
白いそれをそっと撫でてみる。

目覚めるかとかと思えば、翔君はビクともしない。
それどころか摩るたびに気持ち良さげに見えるから不思議だ。
その表情は猫のアゴを撫でてる時と同じよう。
翔君の喉から猫が気持ちいいときに鳴らすごろごろって音が聞こえてきそうだ。


翔君の寝顔は穏やかで、ああやっと芯から眠れたんだなと安心する。

時間を見ると5時過ぎ。
今日は午後から仕事だ。
5人一緒の現場だからそれは翔君も同じはず。

彼の肌をひたすら撫で堪能し満足した後、自分も布団を被る。
すると俺の背中にぴたりととくっ付いてくる翔君。
彼の体温が眠気をさらに誘ってくる。
彼にこんなふうに抱きつかれたら、いつもなら違う欲が湧くのに不思議だな。

こんな気持ちも悪くない。
そう、思いながら夢の中へ戻っていった。