人絹(じんけん)とは人造絹糸または人工絹糸をいいます。
人絹=レーヨンのことです。
手持ちの古い帯で、この人絹=レーヨン製のものがあり、光沢のある絹糸のような質感です。
絹織物の安価な代用品になるということで、1890年代に工業化され、広く用いられるようになったそうです。
いわゆる化学繊維(化繊)ですが、木材や綿など天然繊維植物のセルロースを原材料に紡糸したものです。
「人造絹糸」と略さず表記すると、まるで人間が巨大な繭を作って
そこから糸を紡ぐようなイメージ、もちませんか? ……わたしだけかしら💦
明治から大正、昭和初期と繊維産業が盛んな時代がありましたが、
大量生産が見込めるようになった人絹=レーヨンの功績も大きかったようです。
現存する企業の旧社名も、「東レ」は「東洋レーヨン」から、「帝人」は「帝国人造絹絲」を略して。
いずれも人絹=レーヨンに因んだ社名です。