只今、西遊記の八戒についてご紹介しています(・ω・)ノ



さて、「八戒は人参果の価値を知らない」という諺が中国にはあるそうです。



その、元になったお話はこちらです。









悟空たちと人参果の事。



三蔵たちは「万寿山(まんじゅざん)」にたどり着いた。
 その山中に「五荘観(ごそうかん)」というお寺があり、そこには「鎮元仙人(ちんげんせんにん)」と48人の弟子が住んでいた。

鎮元仙人は大仙とも呼ばれる、皆に一目置かれる位の高い仙人だった。


この五荘観には、奇妙な木が生えていた。 

その木は3000年に一度だけ花が咲き、3000年に一度だけ30個の実をつけ、その実は3000年かかって熟し。

さらに食べごろになるまで1万年も待たなければならない不思議な実だった。




 その実は「人参果(にんじんか)」といい、形は人間の赤ん坊そっくりで、一つ食べれば4万7000年も長生きできるという。




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五荘観の主である鎮元仙人は三蔵達がここを通ることを知った。
鎮元仙人は、三蔵の前世・金蟬子と知り合いだったので、その来山を楽しみにいていたが、天界へ出かけなければならないため、

弟子に三蔵達が来たら、人参果をふたつ差し上げるよう言って出かけた。


やがて、三蔵達は五荘観に着いた。

48人の弟子たちは、粗相のないよう手厚くもてなし。
いいつけどおり、人参果をふたつ、お盆にのせて三蔵のもとへ運んでいった。 


三蔵は驚いて声をあげた。

「これは、赤ん坊ではありませんか! 

    私には到底食べられません!!」

「いいえ、これは人参果と申します。果物ですので安心してお召し上がりください。」

何度も果物であると話したが、三蔵が納得しないため弟子はやむを得ず人参果を引き下げた。

弟子達は台所で三蔵が人参果を食べないことや人参果の効能を話し、腐らせてはもったいと弟子たちで分けて食べた。

それを立ち聞きした八戒は悟空に言った。

「悟空兄貴!人参果って知ってるかい?」

「聞いた事はあるが、見た事はないなぁ。それがどうした?」

「なんでもそれを食えば、寿命が延びるんだそうだ。この寺に実がなっているらしいんだ。

お師匠さんが断ったあの果物、あれがそうなんだってさぁ。

ちきしょう、俺も食いたかったなぁ!

あいつら、うちのお師匠さんが食わなかったからって、みんなで食ってるんだ」

「わかった、わかった。俺が行って盗ってきてやるよ」

「兄貴、人参果は、落とす専用の金の叩き棒でないと落ちないって聞いた事がある」

「あいよ、悟浄。探してみる」


悟空はそう言うと奥庭へ行った。そこにはバナナの樹のような植物があり、人参果がなっていた。

悟浄が言った通り、金の叩き棒があったので、それでたたくと、果物は落ちてきたが、どこにも見当たらない。


土地神を呼び出して聞いたところ、人参果は五行と相性が悪く、土に触れるともぐってしまうとのこと。


それでこんどは自分の襟をひっぱってそこに落とし、3つ持ち帰った。


ところが八戒は、食べたくて仕方なかったので、勢いで人参果を丸飲みしてしまった。

そして悟空と悟浄が舌づつみを打っているところに、

「おい、どんな味だい?」と尋ねた。


悟空は

「おまえ、今喰っておきながら、何だよ」

呆れ返ったが、八戒は

「急いで食ったんで、味わっているヒマがなかったよ。兄貴、あと幾つか都合してくれよ」

と頼んだ。

人参果は米や蕎麦みたいに幾らでもあるものじゃあないんだ。

一万年に三十個なんだから。一個で十分さ」と取り合わなかった。


「ああ、ちきしょう! もういっこくいてえなぁ!!」




一方、鎮元仙人の弟子は奥庭の雰囲気がいつもと違うので気になって行ってみた。 

弟子たちは人参果の数を数えてみると26個なければならないのに、22個しかなく、4つ減っていることに気づいた。

弟子は悟空達が怪しいと思ったが、どうしたものかと相談していると、

もうひとつ食べたいと叫んでいる八戒の声を聞いてしまった。

48人の弟子たちは、三蔵達の所へ行って問いただした。 

「俺たち、そんな実の事なんか知らないぜ。なぁ?」

「うん、知らないなあ。悟浄も知らんだろ?」

「知らん、知らん」

悟空達はとぼけた。

しかし、三蔵が正直に言うよう悟空達を諭すと、

悟空は嘘をつくのが後ろめたくなり、あっさりと罪を認めた。



弟子たちは口々に悟空たちをせめた。

「勝手に4つも取るなんて!」

「いや、盗ったのは3つで、1つは土に潜ったんだって…」

「お前のようなもののいう事が信じられるか!」


悟空はじっと我慢していたが、

「木の実の3個や4個ぐらいでガタガタ言うな!」

悟空はそう言って、身代わりを置いて、人参果の木の側まで来ると、人参果をひとつ残らず叩き落とし。

なんという事か、その木までも根こそぎ倒してしまった。 

弟子達は木まで倒されて黙っていられなかったが、悟空を恐れ怒らず、ヒソヒソ話をして出てっていった。


その夜、食事の時間になり三蔵達のもとに、食事が運ばれてきた。

三蔵達が食事をしていると、部屋の外で鍵を掛ける音が聞こえてきた。

弟子達は人参果を盗んだ不届き者を外に出さないよう鍵を掛けたのだ。

 しかし、悟空は鍵開けの術で部屋の鍵を開け、三蔵達と共に逃げようとした。弟子達に気づかれないよう、眠り虫の術をかけ、逃げ出すことができた。


五荘観では鎮元仙人が天界から帰ってくると、弟子達は眠り込んでいて、人参果の木が倒れていた。

弟子達は水をかけて起こされると、悟空達が人参果を盗んで食べたことや人参果の木を根こそぎ倒してしまったことを話した。

さすがの鎮元仙人も怒り、弟子達を連れて悟空達を追いかけ、やがて鎮元仙人は悟空達を見つけると、風と共に衣のすそを広げ三蔵達を包み込み捕まえてしまった。 
五荘観に連れ戻すと、鎮元仙人は三蔵達を征伐するため、革のムチを用意した。

まずは三蔵から懲らしめようとしたが、悟空は鎮元仙人に自分が盗んで人参果の木も倒したので罰を受けると申し出た。

 弟子達は容赦なく悟空の太ももを叩き始めたが、悟空は術を使い自分の太ももを鉄に変えていたので、どうという事はなかった。

夜になると、悟空は縄抜けの術を使い縄を解いた。 

そして悟空は身代わりを作ると今度こそ本当に逃げようと言った。


次の日の朝、鎮元仙人と弟子は八戒をムチ打ちし始めた。
しかし、弟子達はどうしても悟空が許せなかったので、八戒を辞めてまた悟空を打ち始めた。

ところが、悟空は自分の身代わりには術をかけて来なかったので、ムチの痛さがそのまま悟空に伝わってくる。 悟空は痛みに耐え切れなくなり、身代わりの術を解き放った。

すると、五荘観の身代わりはただの木になってしまった。 

さらに怒った鎮元仙人は先日と同じように、三蔵達を追いかけ衣のすそを広げ三蔵達を包み込み捕まえた。


また、五荘観に戻された三蔵達は、今度こそ逃げられないように、白い布でグルグル巻きにしてその上から漆で塗り固められてしまった。 

そして、煮えたぎった油の鍋の中に三蔵を入れようとした。

「ちょっと待った!サルは素揚げにするとうまいんだぜ。俺をあげろ!」

「そうやってまた儂を騙そうと言うのだろう。今度はそうはいかない!

人参果の木を元通り生き返さない限り、お前たちを生かしておくわけにはいかない。」

「人参果の木を元通りにすればいいのか? 」

「そうだ。」


悟空は人参果を元に戻す約束をし、鎮元仙人は三蔵達の体から漆と白い布をとりはらった。

それを見届けて、悟空は筋斗雲に乗り「蓬莱国(ほうらいこく)」の方に飛んでいった。




続く。

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人参果は、実在するそうですよ  ( ̄◇ ̄;)


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普通の梨を、小さいうちから型に入れて育ててるだけなので、

長生きは出来ません(笑)



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スイカな人参果もあるようです。











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