遠野のカッパ話のまとめ中です。







これも、遠野のカッパの悲劇の一つでしょうか…






遠野物語 56話  河童の子




上郷村の何某の家にても河童らしき物の子を産みたることあり。

確なる証とてはなけれど、身内まつ赤(まっか)にして口大きく、まことにいやな子なりき。

忌(いま)はしければ棄(す)てんとてこれを携へて道ちがへに持ち行き、そこに置きて一間ばかりも離れたりしが、

ふと思ひ直し、惜しきものなり、売りて見せ物にせば金になるべきにとて立ち帰りたるに、早取り隠されて見えざりきといふ。



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上郷村にも河童らしき物の子を産んだ母親がいたそうです。

 確かな証拠はないのですが、

身体は真っ赤で、口は異様に大きく、まともに見られた姿ではなかったといいます。


忌まわしいので捨てよう、という事になり、家の者が赤子を連れ出し。


村はずれの四辻(十字路)まで来ると、そこに置きざりにしました。

しかし一間(1.8メートル)ほど離れてすぐに、


売って見せ物にすれば良い金になるに違いない、と、考え直し振り向きましたが、

もうすでに、誰かに連れていかれたようで、

その姿を見る事はできませんでした。








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身体が真っ赤なのは、赤ちゃんだから普通の事だと思うのですけどね…。



見世物にしようだなんて、


なんて酷い事を考えるのでしょう。









辻…四辻とも言いますが、


十字路には、異界への扉があると言われているのだそうです。



産まれたすぐ後に捨ててしまうような酷い人間の住む世界より、

仲間といた方が、幸せなのかもしれません…
















余談ですが、



うさ吉の好きな漫画家さんが、


辻を題材にした漫画を描いています。





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心温まるホラーです(笑)





 コレを読むと、辻というのは、とても不思議なところなのだなぁと、思えます。













つづく。













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