遠い北国の山より冬のお便りが届きました。

山は紅葉の赤や黄色を真っ白な雪でおおい、

冬の長い眠りにつくところです。

しばらくの間、静かに眠る動物たちをそっと包み込む雪の山は

冷たくもあり厳しくもあるはずなのに

なぜか優しいのです。



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樹下(じゅか)の二人




あれが安多多羅山(あたたらやま)

あの光るのが阿武隈川(あぶくまがわ)

こうやって言葉すくなに坐っていると

うっとりねむるような頭の中に、

ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります

この大きな冬の始めの野山の中に、

・・・・・。


(高村光太郎)