遅ればせながら、今日は私のオリジナル曲 ”ファイトソング”について綴っていこうと思います。

 

 私は、音楽に支えられてここまで生きてこられました。その音楽に携わることができる貴重な機会、誰かを支えられるような曲だなんておこがましい、私が支えられるような曲、私が響く曲、私がこれから共に成長していきたいと思える曲をと。

 私が信じられるのは、今までの自分の経験と、そこから形成されてきたであろう自分の考え方でした。

 

 私は言葉が大好きです。言葉があふれ出る瞬間が幾度となくありました。誰かの言葉を綴ることもたくさんありましたが、それもまた私の一部。

 自分に宛てた曲とはいえ、今私から溢れる言葉たちを届けたい人がいました。

 

 高校生の頃の私です。

 

 未来が真っ暗になって、強い孤独と自責と、とにかく絶望を感じていた当時の私。

 今は、いろんな人と出会って、いろんな考え方に触れて、当時に比べたら視野も広くなったと思います。

 でも、実はそんな今の私の中にも、当時の私がずっといるのを感じています。今でも思い出すのは当時の不安な気持ちばかり。当時と比べながら生きてますし、その過去に感謝している一方で、確かにコンプレックスでもあります。

 

 その感情も大切な私の一部です。

 いつだって、自分は自分の味方。それは私にとって、自分の嫌な部分を好きになろうとするという意味ではなく、嫌と思う自分も認めるということでした。

 

 (歌詞を挟んで、もう少し具体的に掘り下げていきます。)

 

 

ファイトソング / Yume

 

何を感じてきたのかな

少し聞かせてくれないか

間違いだとか甘えとか

言わないからさ ありのまま吐き出して欲しいんだ

 

「生きてるだけで偉い」って どこが「だけ」なんだろう

いつか散りゆくのに 問い続けて 暗闇で闘うんだろ

 

孤独な夜でいるのなら 泣き声で想い奏でよう

この世界は敵でもなく そこにあるだけらしいからさ

君が君でいてくれていて 同じ時を生きていて

目の前の景色が煌めいてる

 

自己嫌悪も嘘じゃないし

自分が一番可愛い

諦めたくて仕方ない

感情のまま傷つけて 動けずにいるのかい

 

「そんなこともあるよね」って 「そんな」で片づけんなよ

誰かと同じじゃない この感情を大切に抱きしめたいよ

 

愛せなくても大丈夫 十分闘ってるだろ

世界は敵ばかりじゃない 自分が味方になれなくても

君が君でいてくれていて ありがとうって思うんだ

だからこそ景色が煌めいてる

 

散ることが救いになった 幸せな時がいいって

今ならと思える瞬間が

次はいつ来るのかなって 次こそはと夢見て

笑顔でいられない日も

ネガティブな私なりの応援歌

 

今までのこと全部全部 今日のために必要だったなら

良かったな幸せだって だからこの先も大丈夫

君が君で 私がいて 同じ世界で生きていて

目の前の景色が煌めいて

今度の景色を夢見ていよう

 

 私の中にいる、高校生の頃の私に向けた “ファイトソング”。

 もう少し具体的に掘り下げます。

 

 

「生きてるだけで偉い」

 よく聞く言葉ですが、私はずっと、「だけ」じゃねーよと思っていまして。

 最低限の生きるは、呼吸して寝てご飯を食べればいいわけですが、それだけで生きることができないくらい誰もがわかっていて。それ以上が難しいのに、何が「だけ」なんだよと。

 生きていることが十分すぎるほど偉いだろ、と思います。

 

 

孤独な夜でいる

 孤独な夜そのものが自分という感覚です。

 孤独な夜でいる自分がいるからこそ、表現ができるし、表現したいと思える。それをいつまでも大切にしたい。

 

 

この世界は敵でもなく そこにあるだけらしいからさ

世界は敵ばかりじゃない 自分が味方になれなくても

 私の大好きな「東京喰種」という漫画の受け売りです。

 「この世界は間違ってない ただそこにあるだけだ」というセリフがありまして。大好きな考え方です。

 世界が敵に思えるときがたくさんあります。自分だけが異質で、世界に取り残されたような孤独や無能感。

 でも、私が見ている、生きている世界は、敵でも味方でもない、ただそこにあるだけ。

 その「ただ」「だけ」というあっけらかんとした事実は、妙に説得力があって、結局はすべては自分次第なのだし、世界はそのすべてをただただ受け入れてくれるのだと。

 

 

君が君でいてくれていて 同じ時を生きていて

君が君でいてくれていて ありがとうって思うんだ

君が君で 私がいて 同じ世界で生きていて

 この「君」は、高校生の私でもあり、私の周りの大切な人でもあり、この曲を届けられた方でもあります。

 そのすべてに支えられて今の私がいます。

 

 

散ることが救いになった

 Mrs. GREEN APPLEの「Utopia」というライブで、初めて “僕のこと”を生で聴いたときに、「今死ねたら幸せだな」と思って。そのことがきっかけで、どうせ一度しか死ねないのだから、それは次幸せすぎた時にしてやろうと。幸せな瞬間が訪れるたびに「次こそ」と。まぁ要はそれを繰り返すことができれば当分は死なないのですが。

 なんなら、「明日こそ幸せなことが起こると信じて、明日こそ死んでやる」と思いながら、寿命を延ばしていました。いや、今もそんな日ばかりです。

 

 そんなところですかね。あとは歌詞を素直に読んでいただければそのまま伝わるのではないでしょうか。

 

 最後に、”ファイトソング”というタイトルについて。

 白状しますと、嵐の “ファイトソング”と同じタイトルにしたいという下心(?)もあります。また、中島みゆきさんの ”ファイト!”。あの名曲は、闘いの歌だそうで。

 

 私のこれまでの闘いを認めて、これからも闘っていけるように。

 自分のすべてを抱きしめられるように。