裕福VS貧乏 第三戦
菅原君に、麗子ちゃんと付き合いたいと相談された私。
で、その話がどうなったかと、
「あの人に興味はありませんの」
という事である。
事情を隠して普通に告白しても駄目。事情を話して同情を誘っても駄目。
つまり、彼にとっては最悪の結果になったというわけ。
「やっぱり、貧乏人は嫌いなの?」
「それだったら、こうして那美と一緒にいませんわ」
……失礼な。
麗子ちゃんに比べたら我が家はそれほどお金を持ってないかもしれないけど、一般家庭の基準よりは上だと思う。
まあ、麗子ちゃんが言いたい事が別にある事はわかってるけどさ。
「貧乏だから断ったってわけじゃないんだね」
「ええ。ひがみ根性が嫌いなだけです」
「ひがみ根性?」
そー言えば、お金持ちなら苦労してないんだろうとか言ってた気が……。
「那美のように、貧富の差があろうと、それを気にせず平気で庶民臭い事を強要してくる方が好きですから」
「……どうも」
一応褒められている……んだよね?
素直に喜べないのは、きっと素直に褒められてるわけじゃないからなんだろう。
普通にしなよとはよく言ってるけど、言葉を変えられるとまったく違うものに聞こえてしまう。
庶民臭い事を強要って……。