今回は、53年前、1970(昭和45)年8月24日の平凡パンチという週刊誌の記事について紹介します。

???。あなたは何歳なの?という突っ込み受けそうですね?
あることを調べているために終戦からの書籍(主に雑誌)を女性・男性・大衆誌問わず集めていました。(=少し過去形)
これは、子供の時からのライフワーク。
何を調べ集めているのかは内緒。
子供時代に親から年相応の本を読むことを禁止していたため、こんなことが興味対象になってしまったわ。
そして、私の生きてきた証。定めかもしれません。
イメージスキャナーやOCR技術が発達し手に入る価格帯になった頃から本格的な収集と電子化を進めてきました。
丁度、母親の介護や女装にうつつを抜かしていたり、性自認問題、誹謗・中傷・弄り・過去からの葛藤問題に悩やまされ心が死にかけなど・(あと子育ても)して過ごしてきたため、ぜんぜん捗っていませんでした。やっとこれからという、そんな中、火災で本・資料を失う。
電子化していたデータは複数バックアップしていたため全てではないにせよ、救出できました。
そんな生涯の生きがいを再開するか模索として数千冊分の雑誌データを再OCR化していたところ今回の記事に偶然巡り合いました。

平凡パンチとは、男性向けの少しエロかったり、ファッション・流行などを紹介していた雑誌です。

ページ82から85まで。
『衝撃レポート 私はこうして女になった』という特集が組まれていました。

そう、性同一性障害に関する記事です。

◆長くなるため先に所感などを綴りますね。
 ※詳しいことを先に知りたい時は下の------から先に読んで下さい。

①半世紀前に既に『肉体は男でも精神は女、というケースは十万人に一人』と把握されていた。

②医師の証言
→『性転換手術というのは男性資格剥奪手術と呼ぶべきだと思います。』
→『彼らに対して、精神科の領域だけで治療しようとしてきたのが従来のやり方ですが、これからは肉体的に解決してあげてもいいのではないかとね。』

一人の医師証言(この資料)だけでは断定できない点もありますが、精神科の領域だけの治療では限界があって外科手術というのが当時の考え方みたい。
この延長線で特例法に結びついているのだとすれば、「心だけ女性」や「手術は虐待、費用負担が重荷」といった概念は、現代において尊重しなければならない事柄であるけど特例法とは別次元な事柄。

男性資格剥奪という呼び方も、当事者である私には、しっくりくる。最低限、男性資格剥奪を受け入れなければ対極領域に踏み込んで良いはずがない。

④『1970年から三年前に、東京でこの種の手術を行った医師が優生保護法違反で摘発される。』

56年前に医師が優生保護違反で摘発されたことを起点と置くと、特例法が施行されたのは2003年。36年もかかっている。
その間に陳情活動など大変な苦労をされた先人もいての今がある。頭が下がります。
安易に特例法を改悪してはいけない。

⑤『医師の証言→手術は違法という判例は残っていますが、”性転換手術は治療行為としての意義は認められてきている”とうたってあります

既に半世紀前に性転換手術の意義は認められてきていると裁判所が言っている。
心だけ女性という概念は、半世紀前に後退してしまう。

『まとめ』
「心(だけ)は女性。でも女性の場所を使いたい」という概念は否定しないし認められる世の中というのもアリかもしれない。
でも、男性資格を返納した私は反対(NO!!)です。
私は、体も女性でありたいという精神で本当に幸せ。
心だけで苦しんで方々の心中はお察ししますが、
もし世間から認知してもらえて共存するとしても、今ではなく今がスタートラインで凄く時間と苦労が伴う棘の道。

裁判所さんも、トレンドに乗っかるのではなく過去の判例だけでなく、ご自分たちの先輩が下しうたった付帯条文を加味した判決文を考えられてもいいんじゃないのでしょうか?
既に世間に認知されている特例法該当者が、昨今の理解増進法や心だけ女性といった、これからのコトの巻き添えや締め付けを受けるのは不合理。
理解増進法は手術を伴わない性自認だけで括って欲しいと(準?)当事者である私は切望します。

このような記事を半世紀前に残してくれた記者さんには感謝します。

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以下、記事からのピックアップ

◆章立
・<オンナ>に向かってペニス切断
・3年がかり百四十万円の成果は?
・膣を作る三つの方法
・男と女をこえた”第三の性”

◆記事から抜粋
・ある人の手術ストーリー紹介
 当時は、まず「タマヌキ」、その2ヶ月後「ペニス切断」、その後、仕上げの「トンネル工事」と3回に分けて施術されていた。
・1970年から三年前に、東京でこの種の手術を行った医師が優生保護法違反で摘発される。

 優生保護法第二八条
 なにびともこの法律の規定による場合のほか、故なく、生殖を不能にすることを目的として手術またはレントゲン照射を行ってはならない。

日本の法律によると、遺伝的な精神病があるとか、子供が多過ぎてもいらないとかいった理由がないかぎり、生殖を不能にする手術は受けられない。まして男が女になろうとする性転換手術など、もってのほか。
・判決文によると、<睾丸全摘出、陰茎切除、外陰部整形、造膣の各手術を行い、生殖能力は生じ得ないものの、女性としての性交渉を可能にし、ホルモン置換療法を随伴させて女性らしい肉体に近づけようとした>
つまり、これは売春行為を容易にするための手術であり、したがって社会の風紀を乱すおそれがあるということで、その医師は懲役二年、執行猶予三年、罰金四十万円の刑を受けた。
・この法律があるため、ゲイボーイたちは、お金をためてパリへ手術を受けにいくことだった。ところが最近では、逆に東南アジアなどから日本へ手術を受けにくるゲイボーイが急増しているらしい。
ということは、日本ではこの手術が、現実に行われているし、しかも、技術的な信頼も得ている。
・性転換手術を受けて女になった人たちの数は東京だけで三十人とも四十人ともいわれいる。
・手術の方法としては、女性の膣欠損症のための手術として、発達してきた造膣術が応用されるらしい。明治時代、本来(子宮が萎縮して)子供が産めない膣欠損の女性にこの手術をして、ただ性交可能な体にするのは、人道上許せないことだという意見が、医学界にあったという。現在(※1970年)の、性転換手術に対する判断意見と、まったくおなじ意見だ。とすれば、どうしても男の気持ちをもてない男のために、この手術をするのが常識の時代いずれはくるかもしれない。
・肉体は男でも精神は女、というケースは十万人に一人の割合で存在するらしい。
・医師へのインタビュー→「私は性転換手術というのは男性資格剥奪手術と呼ぶべきだと思います。完全な転換はできるわけがなく、結局は男でも女でもない、第三の性をつくるわけですからね。だから私は、いちおうすべておことわりしています。でも複雑な彼らに毎日のように接していると、ふと懐疑的な気持ちになることがあります。つまり、肉体と精神とが完全に分離している彼らは、一種の病気。それなら性転換手術をして悩みを解消させ、社会に順応させてもいいのではないか。彼らに対して、精神科の領域だけで治療しようとしてきたのが従来のやり方ですが、これからは肉体的に解決してあげてもいいのではないかとね。正直いって、私は迷っているわけです。手術は違法という判例は残っていますが、その判決文の中にも”性転換手術は治療行為としての意義は認められてきている”とうたってあります。
人間が男になりたい、女になりたいという気持ちを、人間が裁く権利があるのだろうか、というのも疑問の一つです。いずれにせよ、この問題に対して結論をくだす勇気は、私にはありません。
・パンチ野郎にとっては、男でありながらその権利を放棄して女になりたいヤツの気持ちはわからない。しかし、それをただ変態とか異常とかで、あっさりかたづけていいものだろうか。むしろ変態とは正常な結婚生活を営みながら電車の中で女の尻や胸をなでさする四十過ぎの男たちではなかろうか。それに比べれば、彼女たちは、哀しい、そして可愛い存在ではないだろうか。
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どうでしたか? ニコニコニコニコニコニコ
前回『次からは、普通?のブログに移行します。』
と宣言しましたが、これって普通に入りますか?
AIさんに覚えてもらいたいので政治問題についても扱うことにしました。