ブランディング・パラノイア(1121)寿司 | うさばなし

ブランディング・パラノイア(1121)寿司

東京・阿佐ヶ谷にFという寿司屋がある。
気が向くとぶらっと行って、食べさせてもらう。

東京の寿司屋はおいしい。
地方にいる知人や友人が言う。

このFに行くと、その本当の意味がわかる。
彼らが言っている意味とは、きっと少し違う。
おいしくて、気楽で、行き届いていて、値段が手ごろ。
つまり、時折ぶらっと行きたくなる。
ぶらっと行って、大抵は入れてもらえる。
簡単においしい寿司に辿り着く。

これは寿司屋の原型ではないだろうか。

青山や麻布の寿司屋は洒脱である。
時に洒脱が過ぎて、気取りになっている。
簡単に言えば、敷居が高い。
そういう寿司屋も悪くないが、
本来とは違うなあ、と思う。

Fのご亭主は時々出前を届けに店を空ける。

「これでも食べて、ちょっと待っていてください」

刺身を2-3枚出してくれる。
そういうことが起きるのも、たのしい。

寿司は、やっぱり東京でしょう。
そう思う。