ブランディング・パラノイア(717)時の流れ
東京駅、丸の内側。
これは中央郵便局の名残である。
後方部分は取り壊され平地になっている。
このファザードを活かしつつ高層ビルになるそうだ。
完成が遅れると先日新聞に書かれていた。
そういえばどこまで残すか、もめていた。
僕は博報堂時代の大部分を、
この郵便局の左隣に在った東京ビルですごした。
東京ビルも、すでにない。
今は全く新しいビルに生まれ変わった。
東京ビル、中央郵便局、丸ビル。
おそらく同時代(戦前?)に建てられたものではないか。
石造りで、どれも立派な、おもむきのあるビルだった。
僕はコピーが書けず行き詰ると、よく東京ビルを出た。
この郵便局の前を通って丸ビルへ散歩に行った。
気持ちがなぜか落ち着いた。
旧丸ビルで特徴的だったのはトイレだ。
竣工当時は、日本製の西洋式の便器がまだ無かったのかも知れない。
明らかに外国製だった。
え、届くのか?と不安になる朝顔の高さだった。
その丸ビルも、1階部分を生かした高層ビルになった。
時は流れた。
形骸となった中央郵便局の正面。
針をもぎとられた時計がそれを語っていた。