大竹伸朗の作品を

直島で

いくつか見たのだけれど

海辺に設置されてるものは

よくわからなかった。


でも、”歯医者”は好きだったなあ。

特に自由の女神をペタペタはってるやつ。


私の中で自由の女神に対する思いは

比較的重さがある。


自由の象徴であり

アメリカの繁栄、歴史の象徴。


その昔、移民たちは

命がけでアメリカに渡り

自由の女神を見て

新天地に着いた喜びに沸いた。


タイタニック号が

生存者を乗せて帰ってきたときにも

自由の女神が迎えてくれた。


物であって物ではない。

よきにつけ悪しきにつけ

イメージやら、物語やら、意義やら

いろんな付加価値のついた象徴なのだ。

それなりの重さがある。


ところが、歯医者の中の自由の女神は

ただの物だ。もっといえばジャンクだ。


ちょっと小太りで安っぽい、

大きな自由の女神像も

そこに設置されている。


おびただしい種類の

自由の女神のポストカード。

どれも似たようなものがずらり

乱雑に壁にはられている。


とても軽い。


作者の意図は違うところにあるのかもしれないが

私の中ではそういう感覚のズレが

おもしろかったな。


・・と急に思い出してみた。