クラッシュのボーカル、ジョーストラマーを追ったドキュメント映画。

彼の歩んだ人生を、過去のフィルムと関係者

彼に影響を受けたアーティストたちのインタビューで構成されています。


特にファンというわけでもありませんが

1つの時代を切り開いたバンドとして

彼の生き様に興味があって見てきました。


ジョーストラマーは外交官の息子として育ち

英国のパブリックスクールに通うという

ブルジョア階級でいながら

バンド仲間たちとの奔放な

生活をするようになります。 


仲間の金をとることは

許せないことですが

仲間の彼女をとるのは

許せることです。


ファンの人たち、仲間に

非常に献身的で紳士的な面もありますが

次のバンドに移ったら

前の仲間とは口も聞かないという

冷たい印象を与える面もあります。


アンチ商業主義的なスタイルであるにもかかわらず

商業主義に取り込まれていきます。


彼の中には

たくさんの矛盾があります。

その矛盾を抱えているからこそ

共感する部分があるのかもしれません。


矛盾を抱えながらも

疾走し続けるかに見えるのは

お兄さんの自殺があったのかなあとも思います。


常にカリスマ的だった自分とは正反対の

寡黙な兄の自殺。


クラッシュの時代を終え

傷心の中、スペインの美しい風景を目にして

「兄がこの風景を見ていたなら自殺をしなかっただろう」

といったという彼の言葉に

彼が引きずっていたものを感じます。


まさに波乱万丈の人生。

クラッシュの時代より

晩年のジョーストラマーの歌が

心に染みるのは

私も年をとったのか・・・?