長方形の部屋でのスピーカーの配置を縦長配置(辺が短い壁側にスピーカーを置く)にするか、横長配置にするか。多くの場合は縦長配置になっているようですが、両者は音響上どう違ってくるのか。これはですねー、その部屋の中でもっとも大きな変化を示し、アンプやケーブルを替えた場合よりはるかに大きく変化するそうですから驚きです。

 評論家の瀬川冬樹氏は、横長配置を好んで用い、石井伸一郎氏は、12畳の洋間の音響特性を1/10の模型を用いて検討していて、縦長配置より横長配置のほうが低域の具合が良いことを見つけ、実際の部屋で横長配置を試みたところ、非常に音が良くなったそうです。鏡像分布、すなわち音源が鏡のようになって散らばる具合も、横長配置のほうがリスナーの周囲を形よく取り囲んでいるといいます。

 私も以前は横長配置で聴いていて、見た目から受ける印象もあったと思いますが、音の広がり、包まれ感の心地よさを実感していました。なので、別の部屋を使うようになってからも是非とも横長配置にしたかったんですが、入り口や窓の位置の関係から、どうしても縦長配置にせざるをえませんでした。とりわけクラシック音楽の場合は横長配置が好ましいそうですから、まことに残念です。