本日2月24日より28日まで、

会津若松市の会津町方伝承館において、

福島県認定会津漆器技術後継者訓練校第6期生の

卒業制作展が開催されています。

早速本日会場へお邪魔しました。


会津の訓練校では、専攻は塗りと加飾のみ。

実は、私は20年近く前に、訓練校の前身である養成所で加飾を専攻していました。

そんなわけで、会場ではどうしても蒔絵の作品に目が行ってしまいます。

今回、加飾専攻ではお二人の女性の方が卒業するとのことですが、

お二人の作品は、どれも素晴らしいものばかりでした。

モチーフの選定、構図、デッサン力、確かな筆の運び、丁寧な仕上がり、

訓練生とは思えない作品に見入ってしまいました。

丁寧に制作された良い作品は、ずっと見ていて飽きません。

どんどん細部まで目が及んでも破たんしません。

我々の時代から比べると格段に素晴らしい技術を修得されていると感じました。

卒業してからも、技術とセンスを磨いてほしいと感じました。


作品を制作した訓練生にお話しを伺うことができましたが、

加飾専攻のお二人は大学で日本画を専攻されていたということです。

なるほど!と納得した次第です。


私は、漆芸の中で加飾が一番難しいと思っています。

技術だけでは成立しない難しさがあります。

絵を描いて、受け手に納得させるには、それなりの努力とセンスが必要です。

絵柄のモチーフ、構図、描き方、配色、そして使用する加飾の材料と技法、

その全てを総合的にイメージしながらバランス良く統合させることで、

ひとつの素晴らしい作品が出来上がるのです。


今のトレンドは、どちらかというと無地でシンプルな塗りのものが好まれています。

しかし、会津塗の歴史をひも解くと、会津の産地ではいつの時も

工夫された先端の加飾を施して、市場へ漆器を出荷していた事実があります。

会津塗らしさは何かと聞かれた時、加飾です、と即座に答えることができるように、

加飾の世界がもっともっと広がれば、会津塗の未来はまだまだ大丈夫!と感じています。


ぜひみなさんも会場へ足を運んで、作品をご覧になって下さい。

訓練生もいらっしゃいます。

たぶん、自分の作品のことをお話したくて、うずうずしているのではないでしょうか。

ぜひ、訓練生と会話を弾ませて下さいね。