山下書店リニューアル!
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ついにリニューアルオープンの日となった。
有留菜「おはようございます。山下さん、いよいよですね。どきどきします!」
山下「そうだね。早くお客さん来てくれないかな・・・。」
有留菜「なんか、不思議な台詞ですね。買ってもらわないように工夫している山下さんが、お客さんに来て欲しいというのは・・・。」
山下「そうかい?人間みんながみんな、同じ感覚だと思ってもらったら困るよ。それこそ十人十色とはよく言ったものだよ。私の場合、道楽だね。」
有留菜「確かにそうですね。・・・・あ、お客さんはいってきましたよ!」
山下「本当だ!様子を見てみようじゃないか。」
固唾を呑んで様子を見守る二人・・・。
有留菜「あ、うろうろして、何も手に取らずに出て行きましたよ。」
山下「いいね~。完全に”この本屋なんだよ!”って顔していたね。これはいい。有留菜さんのアイデアがきっと良かったんだよ。」
有留菜「そう言っていただけると嬉しい限りです。」
その後に入ってくるお客も、入ってはぐるりと一周まわったかと思うと、すぐに書店を後にしていった。入口に大きく掲示してある、「自分で探してください」の張り紙も効果があったのだろう。
しかし、数日後、2人の想像していなかったことが起ったのだった。
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