提案!店をほとんど開けないのはどうでしょう?
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有留菜は急に何かを思いついたかのように立ち上がった。
有留菜「本間さん、良いアイデアが出ましたよ!これはいけそうです!」
本間「ほぉ~、いきなり思いついたか。で、どんなアイデアなんだい?」
有留菜「はい!要するに売れなければいいので、店を開けなきゃいいんですよ。」
自信を持って言う有留菜に本間はあきれていった。
本間「おまえさぁ~、そういうのは一番うちらの仕事でダメな発想なんだよね。クライアントの気持ちがわかっていないなぁ~。」
有留菜「だって、売れないようにする戦略ですよね?」
本間「あのね、クライアントはお店を開けたくないわけではないんだよ。お店はやりたいの。でも、売れないように努力したいわけだよ。どうやったら、店を開けていてもお客が来ないかっていうスリルみたいなものを楽しんでいるんだからさ。そんなの提案したら、二度と仕事がもらえなくなるよ。」
有留菜「じゃあ、開けている時間を制限して短くするのはどうでしょうか?」
本間「それは昔ならいざ知らず、今は逆効果だね。例えば、気まぐれであける料理店とか、時間を制限している店っていうのは、実際にあるんだけど、噂が広がるんだよ。珍しいもんだから、口コミでね。かえってお客を集めたり、テレビが来たりするわけ。なかなか難しいもんなんだよ。」
有留菜「う~ん、売れない工夫というのが難しいのが分かってきました。そう考えると一日で1つも売れない店をプロデュースするっていうのは、かなり難易度が高いですね。」
本間「そうだよ。それくらい無意識に俺たちは売ろうとしているってこと。まあ、でもよく考えたよね。次のアイデア頑張らないで出してね。」
有留菜は悩むのであった。
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