先週の水曜日 西大学院(にしお学院)の皆さんと

名護市の北にある源河川 & ふんがー滝を探索しました。

西大学院の正式な校名は

フィニッシングスクール西大学院
 ですが
略して西大学院と呼んでいます。

西大学院は
女性の自己実現への扉を校是として
授業では心を通い合わせて学べる少人数のクラス編し

「わかる」のではなく「できる」まで教える
実践的指導を行うことが特徴とされています。


9時15分に拾って貰い、沖縄自動車道を北上して
源河川に着きました。

源河川は全長12,8kmの2級河川で
鮎の放流で有名な川です。

車の中で・・・
「日頃の行いが良ければ 鮎に遭えるでしょう」 の声。

中流辺りに源河川を讃えた源河節の歌碑があり、
その下流で鮎を見ることができるとのことです。



立て看をよく読みましょう



目をこらして川面を見ると イルイルイル 
10匹ぐらいが群れを成して アッチにもコッチにも・・・

長年通っている川ですが鮎は見ることができませんでした。

「今年の学生は よっぽど行いがいいにちがいない」(^-^)/





源河節の碑



源河走川や 潮か湯か水か
源河美童ぬ うすでどぅくる

読み 源河はいかわや うすかゆかみじか
    源河みやらびぬ うすでどぅくる


歌意 「源河走川は 潮(海水)なのか湯なのか水なのか
    源河の娘が 水浴びをして美しくなる所です」




今回は野外学習の一環でしたので
源河川の植物Ⅰ・Ⅱ」 & 「ふんがー滝の植物」として
ガイドブック風にまとめることにしました。

退屈な植物の説明が続きますが  ≧(´▽`)≦

アア! 
沖縄にはこんな名前の植物があるんだ
ぐらいの感覚で目を通していただければ幸いです。


植物については分類体系にこだわることなく
順路を追って並べました。

使用した画像は当日撮った画像だけでなく
その植物の特徴をを表している手持ちの画像をupしました。

時期的なズレがあります。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



歌碑の近くは畑になっていて耕地雑草的な
ムラサキカタバミ・ギシギシ・アワユキセンダングサ・
シロツメクサ・ユウゲショウ・ノゲシ・オニノゲシ・
コバナヒメハギ・ナガエコミカンソウ
などの帰化植物が多く見られます。


また道路脇にはヒメヒオウギズイセン・ホワイトジンジャー・
ベニツツバナ
など大型の逸出帰化植物も見られます。






ムラサキカタバミ  カタバミ科の多年草

ムラサキカタバミ
江戸時代末期に
観賞用として渡来した
南アメリカ原産の帰化植物です。

花は可愛いのですが、繁殖力が強く
畑の強害草として嫌われています。


種子は出来ないのですが
地下にある小さな鱗茎で増えるので
要用注意外来植物に指定されています。

太い鱗茎は半透明で瑞々しく弱い酸味があります。


花はサラダの彩りとして重宝します





ギシギシ タデ科 の大型多年草

湿気のある所を好みますが
浜辺の乾燥した所でも見かけます。

若い葉は山菜として利用します。

熟した果実には湿気をとる力があるので
枕にすると気持ちよく眠れるとのことです。

根は生薬として便秘などに効果があるとされます。

民間薬としては根をすりつぶした汁を
ミズムシ等の皮膚病に用いています。




アワユキセンダングサ キク科 の多年草

戦後嘉手納米軍飛行場周辺で見つかりました。

原産地は北アメリカで、年から年中咲いています。

繁殖力が旺盛で
要注意外来植物に指定されていますが

ジャワ辺りでは野菜として食用に供されているそうです。

また、薬効があるとのことで宮古島では
いろいろな商品が開発されています。

若い葉は山菜として利用します






シロツメクサ  マメ科 の多年草


ヨーロッパ原産のシロツメクサは1846年
に渡来しました。

牧草として栽培されていたのですが
現在では被覆植物として利用されています。

葉は3小葉が普通ですが
時に4枚葉のものが見つかります。


三の葉は
 希望・信仰・愛情の印 
残る一葉は幸
 求めよ疾くその葉 


と歌われていました。

山菜として利用しますが
花柄をつけた花に薄い衣をつけて
天麩羅にすると野草とは思えない美味さがあります。





ユウゲショウ アカバナ科 の多年草

夕化粧というのに朝から薄紅色に化粧しています。

ユウゲショウは夜開花して昼頃まで咲いている
熱帯アメリカ原産の帰化植物です。

日本へは明治年間に渡来したといわれ
現在では日本各地で帰化しています






ハルノノゲシ  キク科 の2年草

標準名はノゲシですが、アキノノゲシとの対比で
ハルノノゲシの名がよくつかわれます。

春から初夏にかけて黄色の花を咲かせます。

ヨーロッパが原産地とされ
日本では史前帰化植物として扱われています。

沖縄ではマーオーハ の方言名で知られてます。

マーは本当の or マーサ(美味しい)を
オーハは 野菜の方言呼称です。

いずれにしても、
食用として用いたことに由来する名称です。

味噌汁の具や炒め物・サラダとして食します。





オニノゲシ  キク科 の2年草

ハルノノゲシと同じヨーロッパ原産の2年草で
日本では明治25年に初めて確認されています。

葉の縁の鋸歯は
ちくちく痛むほど鋭くなっているので
ハルノノゲシと見間違うことはありません。

葉に光沢のあることも特徴の一つです。





コバナヒメハギ ヒメハギ科の帰化植物

白くて小さい花が咲くので
コバナヒメハギの名がついています。

花が沢山咲くとかすんだような風情になるので
カスミヒメハギの別名があります。

南アメリカ原産で戦後帰化しました。


根や茎を傷つけるとルートビアーの香りがします。





ナガエコミカンソウ  トウダイグサ科の多年草


標準名はブラジルコミカンソウですが

別名のナガエコミカンソウの方が
この植物の特徴をよく表しています。

1985年頃から県内で確認されていましたが
キダチコミカンソウと誤認されていました。

繁殖力が旺盛で一度侵入すると
なかなか退治しにくい
インド洋諸島原産の帰化植物です。

他府県では、
福岡で1992年最初に採集されたとされています。





べニツツバナ キツネノマゴ科 の低木状多年草


ベニツツバナは中央アメリカ原産で
2mぐらいになり、熱帯地方に広く帰化しています


英名に(fire spike:炎の穂)とあるように
炎を思わせる筒状の花を穂状に咲かせます。


園芸用に導入されたのですが
源河川沿いでは野生化した物が見られます。




ヒメヒオウギズイセン アヤメ科 の多年草 

フランスで南アフリカ原産の
ヒメヒオウギズイセンとヒメトウショウブの交配によって

作出された園芸種で
モントプレチアの名で流通しています。

端正のとれた朱赤色赤色の花が好まれ
盛んに栽培されていましたが
繁殖力が強く、現在では逸出帰化植物として扱われます。






ハナシュクシャ(ホワイトジンジャー)
ショウガ科 の多年草


インド~マレ-シア原産で1.5mぐらいの高さにになります。

日本には江戸時代に渡来したとされますが
沖縄への渡来ははっきりしません。

湿地を好む植物で、県内では野生化したものが見つかり
栽培移出帰化植物として扱われます。

外国では花から
降水用の製油を採るために栽培されています。



歌碑の向かい側には
キキョウラン・オキナワスズメウリ・コナスビ・クワズイモ・
ノカラムシの他オオ
アマクサシダも見られます。





キキョウラン ユリ科 の多年草


日当たりのいい海岸近くで多く見かけますが
環境への適応力が強く
山地の林縁などでも見られます。

春から初夏にかけて薄い紫色の花を咲かせます。

葉は基部の方で二つに折りたたむように重なります。

方言名は ピーピーグワー(ぴーぴー小)

折りたたんだ葉をくわえて吹くとピーピー鳴り
草笛にすることからついた名です。

夏になると果実は濃い紫色に熟します。

有毒植物なので食すことは出来ません。


果実を口にしたのですが、最初は甘苦く
しばらくするときついえぐみに変わりました
薬草としても利用されています。







オキナワスズメウリ  ウリ科 のツル植物


日本ではトカラ列島以南~沖縄かけて分布しています。

小さいスイカみたいな果実は
冬になると紅く熟しますが
有毒植物なので
食べられません。

口にするとキキョウランほどではないのですが
えぐみがあります。

中国名は毒瓜


果実や根に有毒成分があるとされていますが
インドでは若い葉を食用に
ネパールでは種子を薬用に用いられているそうです。

果実が可愛いので琉球オモチャウリ の名で
流通しているようです。


*キキョウランもオキナワスズメウリも
沖縄では普通に見られる雑草です。

果実は幼児が誤食する恐れがあるので

家庭での栽培には注意を要します






コナスビ サクラソウ科の多年草


日当たりが少なくやや湿り気のある所に生え
細い茎を地面に這わせて広がります。

葉腋に咲く黄色い花は花弁が深く切れ込んで
離弁花のように見えますが
基部の方で葉つながっているので
朝顔などと同じ合弁花植物です。





クワズイモ サトイモ科 の大型多年草

沖縄なら何処でも見られる有名な有毒植物です。

根茎は太さ25cmにもなり
草丈は2mぐらいまでなります。

茎を横に薄く切って顕微鏡で見ると
コメツブみたいな結晶があり
その中には針のような形をした
シュウ酸カルシュウムの結晶が沢山入っています。

茎の汁が膚につくと痒くなり、
誤って食べたりするとひどい食中毒を起こします。

他府県では観葉植物として用いられているようですが
県内では厄介な雑草です。

赤く熟した果実を噛んでみると、僅かに甘味がありましたが
その後えぐみが来ました。





ノカラムシ イラクサ科 の多年草

カラムシと殆ど同じですが
葉の裏に綿毛がないことで区別しています。

葉の裏は灰白色で脈上に
粗い毛がまばらにあってざらつきます。

若い葉は山菜として食するほか
薬用植物としても利用されています。

衣服などにぺたっと貼り付けて
僕のが大きい 私のが綺麗などと
勲章遊びをします。





歌碑の所からしばらく行くと、
ボーイスカウトのキャンプ場入り口につきました。
駐車場近くは

コシダの生い茂る中にリュウキュウイチゴ・ホウロクイチゴ・
リュウキュウバライチゴがあり、向かいの岩にはコバノミヤマノボタン・ハシカンボクの花を観ることができます。

チョット離れた所には、ギーマやオキナワシャリンバイの他
小さなヘビイチゴ・ツルソバ、蔓性のリュウキュウボタンヅル・
ハナガサノキなどがありました。






リュウキュウイチゴ  バラ科 
の落葉小低木

リュウキュウイチゴは琉球列島の中で
一番美味いといわれる山の幸です


春先に白い花を下向きにして咲かせます。


果実は3~4月にかけて橙黄色に熟します。

酸性土を好むので沖縄島では
北部の山原で多く見られます。





ホウロクイチゴ  バラ科
 の小低木


リュウキュウイチゴに遅れて紅く熟するのが
ホウロクイチゴです。

ホウロクイチゴはどんどんどんどん
枝を伸ばして広がり群落を作ります。

古老はイチゴの下にはハブがいるから
注意しなさいとダメよと言い聞かせます





リュウキュウバライチゴ バラ科 の小低木

リュウキュウバライチゴは地下茎でどんどん広がります。


リュウキュウイチゴに比べ適応能力が強いので
中部や南部にもあります。


春先に白い花を枝先に咲かせ

2~3月にかけて果実は黒紫色に熟します




コシダ ウラジロ科の大型羊歯

ウラジロを小さくしたような羊歯です。


沖縄ではウラジロが少ないので
正月の飾りにはコシダを使います。


黒褐色で光沢のある葉柄は針金のように強く

コシダ籠は丈夫なので重宝されます。





ハシカンボク ノボタン科の小低木

ハシカンボクはノボタン科ですが
花弁の数が4枚なのでノボタン属とは別のハシカンボク属です。

酸性土を好むので南部の石灰岩地域では見つかりません。

北部の林縁に多く、時に群落をつくります
花の色は桃色をしたものが多いですが

時に白い花の咲く株が見つかります。




コバノミヤマノボタン ノボタン科の小低木

コバノミヤマノボタンもノボタン科ですが
花弁が4枚なのでハシカンボクと同じ属です。


花の大きさはハシカンボクと同じくらいですが
やや肉厚でシャ-プな感じがします。

葉はハシカンボクより細く艶があります。


固有種で絶滅危惧に指定されています。





ギーマ  ツツジ科 の低木

シャシャンボの小さいタイプで
ヒメシャシャンボと呼ばれた時代もあります。

ギーマの名は方言名のギーマが
標準名になったものです。


画像のようにスズランに似た白い花、や
桃色がかった花があります。

果実は1cmぐらいの小さなもので、
黒く熟して生食するとが出来ます。





オキナワシャリンバイ バラ科の低木

オキナワシャリンバイは常緑で5mぐらいになります。


標準名はモッコクモドキですが、オキナワシャリンバイまたは
インドシャリンバイの方ガ広く使われています。

果実は1cm内外、
小さい頃、黒く熟した果実を食べていましたが
決して美味いものではありません。

樹皮は久米島絣などの染色材に用いられます。





ツルソバ タデ科 の多年草

他のものにもたれかかるようにして伸び

茎が地面につくと根を出して広がります。

1cm足らずの果実は半透明で薄紫に熟します。

水気があるので、小さい頃はよく食べていました
若い芽は山菜として用います。





ヘビイチゴ  バラ科 の多年草

ヘビイチゴの名前がついていますが苺の仲間ではありません。

やや湿り気のある所を好んで生え

節から根を出して広がります。


紅く熟した果実は美味そうに見えるのですが
ざらついた食感で甘味もなく
お出時にも美味いとはいえません。




ハナガサノキ  アカネ科 の半蔓性木本


他の木にもたれかかるようにして
10m以上になります。


茎は黒くて光沢があり、
薪を縛るのに用いられたことがあります。

インドネシアでは根を染料として用いるとのことですが
県内では利用してないようです。





リュウキュウボタンヅル キンポウゲ科の蔓植物


リュウキュウボタンヅルはクレマチス同様
キンポウゲ科センニンソウ属の蔓植物です。

花は2cmぐらいで黄白色をしています。

画像にするとなかなか趣のある花ですが
種子が沢山でき風にのって広がるので
庭の彼方此方で発芽して草木を被いつくします。


目を離すことの出来ない嫌われ者の雑草です。



最後まで目を通していただき有り難うございます。