「で、その後は?」
「家の近所まで送ってった」
「だけ?なんもせず?」
「初日だぞ。手ぇつないだだけでも凄いだろ」
例によって、喫煙ブースで僕と西河はサボっている。
「お前さぁ、中学生じゃないんだから、手ぇつないだだけで終わりは無いだろ?」
もっと一気に行けよと、西河は無責任な発言をする。
「相手は高校生だぞ。いきなりがっつくのは大人気ない」
「馬鹿か、お前は?そんな悠長なコト言っといていいのか?次にもう一度会える保証も無いんだぞ」
「会えるわい。付き合ってるんだぞ、俺たち。」
西河はじっと僕を見据え、静かに言った。
「俺がいいたいのはそういうコトじゃない。付き合ってるなら休みの日にデートだってするだろう。電話やメールで予定を決めてな…」
でも…と西河は続けた。
「それは普通の人間に関しての話だ。お前は明日死ぬかも知れないんだぞ」
僕には西河の言うことは最初からわかっていた。
ただ、その現実を見ないようにしていたんだろう。
目を背けても意味がないことも、最初からわかっていたけれど。