それでもいいのと、彼女は訊いた。
予想外の展開に、僕はあわてた。
むしろ、その年の差を理由に断られると思っていた。
ところが、彼女の言葉は「それでもいいか?」だった。
突然与えられた決定権。僕はその幸運を逃すまいと、早口で「僕は気にしない。年齢なんて」
彼女はしばらく口を閉ざした。
僕は彼女の気が変わらないか、それこそ気が気でなかったが、かと言ってかける言葉もなく、黙って彼女を見つめた。
せめて自分の気持ちが軽はずみなものではないという思いを込めて。
「いつから?」
沈黙を破る言葉。
「へ?」
間抜けな返答。
「いつから私は沢口さんの彼女?」
なんだかもうよくわからないが、今日が人生最良の日だということは確かだろう。
「今」
これもまた間抜けな返答。