「何飲んでるの?それ」
「アサイー」
何だそれ。
おそらくアセロラとかガラナとか、ビタミンがレモンの何倍とか、そんな感じの物なのだろう。
そこから話題を広げるスキルは、その時の僕にはなかった。
仕方なく僕は「学校帰りだよね?部活はやってないの?」なんていう、当たり障りのない話題をふった。
多分、僕は必死だったんだろう。
できるだけ長く彼女と話していたくて、本題に入るのをどうにかして引き延ばそうとしていた。
「バスケ」
「え?」
「いや、部活…」
そうだった。
僕が聞いたことだった。
それにしても意外だった。
彼女は小柄で、体の線も細い。
まさか体育会系とは。
「部活とかやってたんですか?えっと…」
そう言って彼女は、微笑みながらも少し困ったような顔をした。
「あ、僕ね沢口です。まだ名前も言ってなかったね」
「沢口さん…。あたし、ちよりです。新倉ちより」