「よだれ…」
その後、彼女はなかなか次の言葉を発しなかった。
僕はなぜか居心地の悪い心地で、彼女と右肩を交互に見つめた。
「あの…クリーニング代、出します。すみませんでした」
困り顔の僕に気を使ったのだろう。
彼女はたどたどしい口調で、ついに口を開いた。「あ、大したことないから、気にしないでいいよ。すぐ乾くよ」
「いえ、そういうわけには…。クリーニング、出してください。今は手持ちがあんまりないんで、後日連絡をくれませんか?」
なんという幸運だろうか。
彼女と言葉を交わすだけではなく、連絡先も教えてもらえる。
「よだれ」万歳だ。