もう一度言おう。
幸運のキーワードは「よだれ」だ。
ホームに降り立ち、階段へ向かおうとした僕に、彼女が発した言葉。
まず僕は彼女の独り言だと思い、次に右の肩に視線を動かした。
彼女の可愛らしい、小さな頭の重みと温もりを失った僕の肩には、代わりに幸運が残されていた。
もう一度言おう。
「よだれ」だ。