目を覚ました彼女は、ガラス窓越しに駅名表示を確認すると、慌てて席を立とうとする。
彼女の頭の重みを失った僕の肩は、汗が引いた時のように体温を奪われた。
思わず僕は肩に目を遣る。
その動きに、ドアに向かおうとした彼女が無意識に反応した。
僕もまた、目的の駅で降りるべく、名残を惜しみながら席を立とうとしていた。
その時彼女は、すでに電車を降りながらも、ホームのドア付近から動こうとせず、続いて降りる僕をドアマンのように待つ形になった。
まだ彼女が気になる僕は、ホームに降りる一瞬、彼女を盗み見る。
なぜかその時、彼女と目が合った。