次の駅で、僕は降りなければならない。
これもまた、当たり前でいつも通りのことだ。
彼女は僕の方に頭を載せ、相変わらず眠っている。
いよいよこの特別な時間とも決別しなければならない。
それは大袈裟に言えば、彼女との決別でもあった。
電車は徐々にスピードを落とす。
僕の肩に彼女の存在がのしかかる。
このまま降りずに、行けるところまで行ってしまおうか。
彼女が目を覚ますまで、このままずっと。
しかし、残酷な揺れが僕の体を通して彼女に伝わる。
電車はいよいよホームに滑り込み、時速は絶望的に遅くなる。
僕は選択を迫られる。
このままか、立ち上がるか。
しかし、僕が悩むまでもなく、彼女は目を覚ましてしまった。