正直に言うと、たまたま座った席の隣にかわいい娘が居たわけではない。
電車に乗り込んだ際、すぐに目に留まったかわいい娘の隣に、僕が座ったというだけだ。
だからそこには運命的なものは無い。
唯一は、彼女が僕の日常にたまたま紛れ込んだことだけだ。
とにかく、僕は美少女とわずかに肩を触れ合わせながら、いつもの電車に揺られている。
彼女はまだ高校生らしく、グレーの制服を着て、膝の上に黒い革鞄を載せて眠っていた。
進行方向側に座っていた僕は、ブレーキの度に彼女の重さを、温もりを感じ、ささやかな幸せを噛みしめていた。