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ロックが降り立ったのは世界で6番目に面積の大きい国、オーストラリアだった。コールやシャドウが目撃したのと同様に、 クイーンズランド州の州都 ブリスベンでは、すでにそこかしこから噴煙が立ち昇り、街並みは瓦礫と化していた。
他の二人よりもさらに到着が遅かったためか、その惨状は見るも無残だ。人口180万人程の市街地に、いったいどのくらいの死体が転がっているのだろう。ロックは怒りや悲しみの前に、ただただ恐怖した。こんなことのできる人間が、敵とは言えレヴィアとして神に仕えていたことを嫌悪した。そして、この無差別攻撃を命じたエル・フィリオンに対して、初めて心の底から怒りを感じた。
「守るためじゃないのか!?レヴィアの剣は、拳は、守るためにあるんじゃないのか!?答えろ!!」
悲痛なロックの叫びに振り返ったのは、真っ赤なタスクを纏った大柄な男だった。