127.


紫堂家居候のシャドウ・ブラハムは、何をするでもなく横になっていた。諒子の手前、明るく振舞ってはいたものの、数日前に最愛の人アレスを失ったばかりだ。一人になると虚脱感に襲われ、こうして何もできないでいる。シ

ャドウはただ天井を眺め、そこにアレスの面影を映していた。
「シャドウ!感じたか?!」
叫ぶような声と共に、同じく居候のコール・ロビンソンが部屋に飛び込んできた。
「何だよコール。何をそんなに慌ててんだ?」
「何だはこっちのセリフだよ!お前、感じなかったのか?!」
「何を?」
「どっかでヘル・ライナーズが暴れてるんだよ!場所はわからないけど、複数で同時にだ!」
「何だと?!」
コールの言葉で、シャドウはようやく感覚を研ぎ澄ませる。確かに、かなり距離はあるようだが、複数箇所でタスクの力が解放されているのを感じる。そのうちの一つは憂弥の学校の方角だ。しかし、それ以外は極端に遠く、

よほど集中していない限り気づかないほどだった。
「よく気づいたな。かなり遠くで、4・・・5箇所、いやもっとか?」
「ああ、憂弥の学校あたりでたった今かなり強力な力が解放された。それに気づいたんで慌てて集中したら・・・」
「他のも気づいたって訳か?」
「ああ、リックとロックはもう出てった。シャドウは北の方に行ってくれ。俺は西に飛ぶ」
「個別に当たるって訳か?憂弥の学校の方はどうする?」
「任せるしかない」
「憂弥にか?大丈夫か?」
「知らないよ!でも、仕方ないだろ?この国以外で暴れてやがるんだぞ、あいつら」
「しかし、俺たちの役目はレヴィ・ストーンを、憂弥を守ることだぞ」
「ほっとけって言うのかよ?!この世界が荒らされたら、レヴィ・ストーンなんかただの石ころだろ?!」
「わかった。議論してる暇はないな。北に飛ぶ!」
二人はタスクを纏うと、窓から飛び立っていった。