117.
「いやだよ」
憂弥は表情を変えず、それだけ言った。4人のレヴィアはしばらく事態が飲み込めずにいたが「お前、何を今更」とリックが口火を切った。
「そうだよ、何考えてんだ?お前は実際巻き込まれてるんだぞ。いやだもへったくれもねぇだろ?ヘル・ライナーズに入って俺たちと一緒に戦え」
それまで黙っていたシャドウも、興奮気味にまくし立てる。
「いやなもんはいやだ」
憂弥は頑なだ。
「じゃ、どうする?お前にその気はなくても、こうして何度も襲われてるんだぞ?」
リックはシャドウを制し、落ち着いた声で憂弥を諭そうとする。
「わかんないよ、そんなこと。大体何で俺がこんな目に合わなけりゃならないんだ?」
「お前がサラマンダーの影だからだよ」
コールが答える。
「最初の敵・・・あのアデプトって奴も言ってたけど、それが良くわかんねぇよ。別人だろ?」
「ま、そうだ。だが、エル・フィリオンからレヴィ・ストーンを守りきる可能性がある人間は、二つの世界でお前だけだ」
リックが憂弥を指差す。
「何でだよ?」
「わからないか?サラマンダーは神から石を奪ったんだぞ」
「神から・・・奪った・・・」
憂弥は考え込む。しばらく待ってリックは「納得したか?人間は逆立ちしたって神には敵わない。だが、神を出し抜いた人間がいたんだ。その人間と同じ性質を持つ人間に、力のない人々が期待を寄せるのは当然だろう?」
「そんなこと言われたって・・・」
全く実感がないと、憂弥は俯くばかりだった。