109.


コールの剣がグエンの重さから解放されたとき、他の2人はまだ戦っていた。
「よう、ロック。そっちはどうだい?」
コールはランプレイと戦闘中のロックに声をかけた。
「退屈はしてないよ。なかなかの強敵だ」
ロックはランプレイの攻撃をあしらいながら答える。
「戦闘中に、ふざけるな!!」
ランプレイは人が変わったように、激しく攻撃を続ける。とても目の見えぬ者の攻撃とは思えぬ見事な攻撃だったが、ロックは始めに剣を交えたときほどは、相手の実力を重く見てはいなかった。彼は冷静に相手の動きを見極め、全ての攻撃を紙一重でかわしていた。
「おのれちょこまかと!!」
ランプレイは明らかに苛立ち、平静を失っていた。ロックは逆に落ち着き払い、相手の動きにすきができるのを待っていた。
ランプレイは渾身の力を込めて剣を振るったが、ロックは軽くその攻撃をかわし相手の剣をはね上げた。ランプレイがバランスを崩したのを期に、ロックは初めて剣を水平に払い、一撃でランプレイの腹を切り裂いた。激しい叫びと共にランプレイがよろめき、腹部から鮮血が流れた。
「さすがはヘル・ライナーズの正規ナンバーを持つだけの事はある。このランプレイに一太刀浴びせるとは。しかし、ここまでだ。私も本気を出そう」
「本気だと……?」
ランプレイは腹を押さえつつも構えなおした。何もない顔の眉間に当たる部分に光が宿った。
「なるほど。本領発揮というわけか」
「盲目のランプレイ、参る!!」
ランプレイはそう言うと切りつけてきたが、この攻撃は無駄のない非常に素早いものだった。ロックも怯み、全力でこれを受け止めた。
「やるな。私のこの打ち込みを受け止めたのは、貴様が初めてだ」
ランプレイは一度体を離すと再び構え「それではこの攻撃はどうかな?」と、今度はロックに向けて突いてきた。ロックはその攻撃を受け止めきる事ができず、大きく体をかわし少し間合いを空けた。
「やはり俺の直感は正しかったようだ。お前の実力を認めよう。このロック・レイドリアンも本気を出して挑もう」
その言葉でロックのタスクは変化を示した。頭部の装甲がわずかに上へ移動し、両目が現れた。その目が鋭く光を放っている。一瞬ランプレイも身構えた。周囲の木々がわずかに震えた。