95.

「ちょっと、不利かな・・・」

シリウスと対峙し、ロックはつぶやく。後ろには意識を失った憂弥が倒れている。憂弥をかばいながらの戦いは決して楽なものではないだろう。

「見放せば楽になるぞ。そのほうが思い切り戦えるだろう?」

ロックの状況を冷やかすように、シリウスは挑発する。

「そうだな。俺たちが守るべきはレヴィ・ストーンであって、紫堂憂弥ではない。ここはひとまず、お前との戦いに集中しよう」

「ふ・・・では、遠慮なくいかせて戴く」

シリウスは一気に間合いを詰め、ロックに切りかかる。ロックはすぐにタスクを纏い、引き抜いた剣でこれを受けようとした。しかし、シリウスはきびすを返し、ロックの脇をすり抜けるように移動し、倒れている憂弥に切りつけた。

「しまった!」

シリウスの意図に気づいたロックが、反射的にシリウスの剣を止めた。ほんの一瞬遅かったら、シリウスの剣は憂弥の胸を突き刺していたことだろう。

「ふ・・・見捨てたんじゃなかったのか?」

「お前、嫌なやつだな・・・」

「ほめ言葉だね」

「お前、嫌なやつだ」