91.
「なんとか間に合ったなコール」と声が聞こえた。
「紫堂憂弥さんですね?ロック・レイドリアンです。こっちはコール・ロビンソン。僕たちもあなたの味方です。敵も残り三人。手分けして片付けましょう。詳しい話はその後で……」
長い前髪をかき分けてロックと名乗る男は、それだけ言ってタスクを纏った。その姿は美しく、銀色に輝いていた。頭部に目はなく、口元から後頭部へと装甲が流れている。その姿は西洋の騎士その物だった。
「ロック・レイドリアンだ。相手は誰だ?」
それに応えるように、一歩前へ出たのは物静かな印象を与える紳士で、細身の体を黒いコートで包んでいる。彼はコートを脱ぎ捨てると「ランプレイ・ランプレイ。盲目のランプレイがお相手いたす」
その異名の通り、彼の目はふさがれたまま開かない。彼はグレイのタスクを纏うと剣を引き抜いた。シンプルな、何の特徴もないタスクだった。あたかも何もない事がかえって特徴だと主張しているかのようだ。
頭部はのっぺらぼうで、体を覆う部分も凹凸がほとんどない。ロックは右の足にある剣を抜くとランプレイに切りつけた。ランプレイはその異名の通り目が見えないが、これを見事に剣で受けた。
(強敵だ)
ロックはそう直感した。