89.

「そろそろ、味わってもらうとするか・・・・・・」

?」

「俺は『雷撃』と呼ばれている。察しがつくだろう?」

一瞬、憂弥は後退する。充分な間合いが必要だと、本能的に感じた。

「ビリッと来そうだな」

「そうだ。なかなか鋭いぞ。しかし、後退したのは浅はかだったな。お前は剣を交えていると電流を流されると考え、間合いを取ったのだろう?但し、それはお前の勘違いだ。俺は『雷撃』と言ったはずだ。『電撃』ではなく『雷撃』だと。つまりはそう、俺の攻撃は雷のそれと等しい。空気中を走るぞ!」

シリウスが振り下ろした剣が轟音を放った。

「食らえ!」

シリウスの放った稲妻はその通り道となった部分の空気を数万℃まで上昇させる。急激に膨張し周囲に対して真空状態となった稲妻の通り道に、衝撃波と冷たい空気が流れ込む。稲光は爆音を伴い光速で憂弥を襲った。