74.

「なんと?!ユイナルもか?!」

報告を聞いたエル・フィリオンは動揺を隠せなかった。情報によると、アレスたちが遭遇したヘル・ライナーズは、ナンバー4のシャドウ・ブラハムとナンバー5、リック・ロシアンブルー。たった13人にしか与えられないナンバーを持つレヴィアだ。たやすい相手ではない。

「それにしても、アレスですらやられたとは・・・」

クロスボーン・レヴィアスは実力順にナンバーが与えられており、19番のアレス、23番のユイナルは、ナンバーこそ下位ではあるがウォーリピア屈指の実力を誇っていた。

「アレスですら敵わないとは・・・ヘル・ライナーズの実力、侮れんな・・・」

エル・フィリオンの顔に焦りが浮かぶ。

「私に行かせてください」

アレスたちの全滅を報告したレヴィアが、恐る恐る口にした。

「わきまえよ、シリウス!」

エル・フィリオンの脇に控えていた側近、アーマロイドのボイジャーが嗜める。ビホルダー・シリウスははっとして顔を伏せる。

「し、しかし・・・」

それでもシリウスは「確かに私はアレスより下位のナンバー20です。しかし、それは私の入隊歴が短いというだけで、決して実力ではございません」

「うぬぼれるな!」

ボイジャーの声が玉座の間にこだまする。

「よい。シリウス、続けろ」

エル・フィリオンはボイジャーを片手で制すると、シリウスに先を促す。

「は。実際、私はクロスボーンに召し上げられたばかりで、番付の試合すらしたことがありません。今回、初の任務としてアレスの後方にて戦闘の見届けに異次元へ赴きました」

エル・フィリオンはシリウスを見つめ、軽く頷く。

「アレスとヘル・ライナーズの戦いを見て、正直に申し上げて非常に歯痒く感じました」

「何?」

エル・フィリオンの言葉に、シリウスはより深く頭をたれる。

「よい、先を続けろ」

「お、恐れながら、その戦闘をこの目で見て、私なら間違いなく彼らを倒せると確信いたしました」

「ほう。大層な自信だな」

ボイジャーがシリウスを睨みつける。

「申し訳ありません。しかし!」

「しかし・・・なんだ?」

「しかし、事実です」