69.
そのままどれ程の時間が経ったのだろうか。二人はピクリとも動かないまま、無限に広がる空間で睨み合っている。戦いを見守る憂弥達の顔にも焦りが感じられる。
「どうなってんだ?二人とも動きもしないぜ?」
たまらなくなって声を挙げたのは憂弥だった。平素冷静なリックも、やや心配そうな声で、「相手の隙を狙ってるんだ、お互いに……」
「仕掛けるぞ!!」
ユイナルとシャドウは、互いに隙を見い出す事ができず、ほぼ同時に、一か八かの賭に出たようだった。ユイナルは両拳から緋色の光線を放ち、上段からシャドウに切りかかった。放たれた光線はあえて的を外したようにシャドウの左右を横切り、結果的にシャドウの動きを一瞬であったが、止める形になった。シャドウの反応速度の早さが、逆に災いし、上段から振り下ろされた剣が、シャドウの額に襲いかかる。しかし、ユイナルは忘れていた。この空間に上下は存在しない事を。今まさに切り裂かれんとするとき、シャドウの姿が消えた。シャドウはすさまじい勢いでユイナルの足元に滑り込み、最後の一撃を放った。しかし、ユイナルもまた、レヴィアであるがゆえに、直感的に必殺技でこれを返そうとしていた。身体中の全てのパワーを剣に集約させ、シャドウの一撃を受け止めようとしていた。
「!?」