67.
「そう、恨みだ。お前のせいで、私は多くの物を失ってしまったんだ……」
「何の事だ?」
「ふ……」
ユイナルはタスクの中で、悲しげに微笑んでいた。
「もちろん、お前は知らなかったのだから、お前のせいにするのはおかど違いなのかもしれん。しかし、あの時の戦いのせいで、いや、それよりも、お前と出会ってしまったせいで、アレスの笑顔は消えてしまったんだ」
「アレスの……笑顔……?」
「そうだ。お前と出会い、右腕を失ってから、何もかもが狂ってしまったんだ。アレスの顔から微笑みは消え、ただ戦うために生きているようだった。何かに取り付かれたように、常に自分の身を戦場へ向け、血生臭い世界の中だけにいた。私は、アレスには、アレスにだけは、普通の生活を送って欲しかった……心から、それだけを願っていたんだ。しかし、結果はどうだ!!お前ごときのために!!自分から、幸せな生活を奪った男のために!!アレスは死んでいったんだ!!」
ユイナルは、まるで我を失ったかのように怒鳴り散らしていた。そして、ひとしきり言葉を終えると、呼吸を整え再びシャドウに向き直った。この間、シャドウにはいくらでも逃れる術はあったが、彼は黙ってユイナルの前にいた。うなだれるように、力の抜けた身体で、ただ呆然と立ち尽くしていた。