65.

そこは全てが歪んだ空間だった。先に突入していたシャドウ達も、いびつに歪曲して見える。辺りは薄暗く、目が慣れるまで少し時間がかかったが、次第に見え始めた光景は、憂弥にとって驚くべき物だった。そこには上下も存在せず、ただ空間だけが無限を思わせる程広がっていた。

「なんだ……ここは?」

憂弥は思わず呟いた。

「ここが、次元間の通り道だ」

リックは答えると、「ユイナルは傷を負っている、そう遠くへは行っていないはずだ。探すぞ!!」

一同はうなずくと、ウォーリピアめがけ、追跡を始めた。

そのまま、五分ほど経った頃、一塊で飛行していた憂弥達に向け、一筋の光線が襲った。その光線は、シャドウの右腕を貫き、後方へと走り去った。

「うっ!!」

一同が身構えると、前方からユイナルが姿を現した。

「どうやら、もう逃げられんらしいな……観念したよ。潔く、戦おう。誰からだ?」

ユイナルは剣をかざしながら、ゆっくりと言った。

「では、俺が相手をしよう」

進み出たのは無論、シャドウ・ブラハムだった。

「シャドウか、よかろう。相手にとって不足はない」

ユイナルは不敵な笑みを浮かべ、剣を抜いた。この次元間の通り道は、上も下もなく、大地も存在しない。ユイナルは、シャドウの方に剣をかざし、名乗りを上げた。

「クロスボーン・レヴィアス、幻惑の亡霊、スティンガー・ユイナルだ」

シャドウもまたそれにならい、

「ヘル・ライナーズ、シャドウ・ブラハム、漆黒のシャドウだ。アレスの仇、取らせて貰う!!」

「仇?人聞きの悪い事を!!貴様は気づかなかったのか?あの時アレスは、私の存在にいち早く気づき、お前を突き放して助けたのだぞ!!本来ならば、死ぬのはお前だったのだ!!」

ユイナルは叫びながら、シャドウに切りつけた。シャドウはこれを受け止めながら、驚愕の声を漏らした。

「なんだと?!」