60.
その時、隊長とリックが時を同じくして、破壊活動を開始した。二方向から火の手が上がる。二人の実力なら、俺が何もしなくても、ここもあっと言う間に戦火に包まれるだろう。俺は店に引き返し、彼女を街の外に逃がそうとした。
「なんなの、これ?!」
「いいから、こっちへ!!街を出るんだ!!」
彼女の手を引き、俺は街の入り口まで全力で走った。
「このまま走るんだ!今逃げ出せば何とかなる!」
「あなたは!?」
「妹が街にいるんだ、探してくる!君は構わずに行け!!」
咄嗟に出た俺の嘘に対して、彼女は一緒に探すと言ったが、俺は振り払って街に戻っていった。彼女が無事に逃げてくれることを祈って。
さっきの店の前まで戻ると、俺はタスクを身に纏った。汚れたレヴィアの鎧。隊長の声が聞こえた。
「何をしていた?遅いぞ!」
「申し訳ありません」
「まぁいい。そっちは任せる!!」
その後の俺はたぶん悪魔よりも劣るだろう。町並みを破壊し、人々を焼き、自分の心は固い殻で覆っていた。
その時だった、一人のレヴィアが俺の前に立ちふさがったのは。
そいつは何も言わず、がむしゃらに斬りつけてきた。おそらくエル・フィリオンの手の者だろう。たまたまこの街にいたらしい。その時の俺は我を忘れていた。誰と戦っても、決して負けなかっただろう。自分のやっていることの恐ろしさから目を背けるように、俺はそいつとの戦いに没頭した。