55.
剣を抜いた憂弥はそれをアレスに突き出し、「ようやく事態を把握できた。あんたは敵だ。そうだろ?」
「何を今更……」
「アレスとか言ったな。女だからって容赦しないぜ」
その時だった。憂弥の背後から声がした。
「ヘル・ライナーズ、シャドウ・ブラハムだ。紫堂憂弥に代わりお相手する。よろしいか?」
憂弥が振り向くと、そこには全身を黒いタスクで覆われたレヴィアが立っていた。肩の装甲が二股に別れ、鋭く尖っている。眉間にはタスクの宝石が輝き、両目は細く鋭い。彼は剣をアレスにかざし構えると、「アレスは俺がやる。因縁があるんでね。悪いが紫堂憂弥よ、譲ってくれ」
「あんたは……?」
「リックと、そしてお前の味方だ」
アレスはそのやりとりを黙って見守ると
「久しぶりね、シャドウ。あなたも来ていたとは思わなかったわ」
「お前が来ていると聞いていたんでね。他の奴に、お前を倒されたくはなかったんだ」
「私を倒す?できるの?」
「できるさ。抜けよ」
「いいわ。相手になってあげる。クロスボーン・レヴィアス、ナタリー・アレスがあなたを倒す」
アレスが気合いをためると右の肩が光を放ち始めた。
「あなたに切り落とされたおかげで、こんな事ができるようになったのよ」
アレスがそう言うと、右の肩から腕が現れた。手のかわりに銃口のような物がついている。右腕全体が兵器のようだ。シャドウは驚きつつも、「凄い隠し芸だ。ハンデはいらないな?」
「そういう事!」