25.

エル・フィリオンの神殿は、ウォーリピア最高峰フォリボウス山の山頂に位置する。

全てがまばゆいばかりの黄金で彩られ、中央に天を衝く細長い塔がある。左右にもやや低い塔が並び立ち、それらを、ふんだんに装飾の施された建物が結んでいる。

玉座の間は中央の塔の最上部にあり、内部も黄金色で統一されている。ただ、玉座のみが金属とも繊維ともつかぬ、黒いヴェールに覆われている。

「そうか…カトラスがライナー・フルを押さえ込んだか…」

黒いヴェールの向こうから声が響く。それは魅了されるほど美しい高音で、女性とも男性ともつかぬ天使の声だった。

「ボイジャー、カッシェルを…」

「はい」

ボイジャーと呼ばれたその存在は、壁に備え付けられたコンソールパネルを操作し「カッシェル・ポーンを呼べ」と命じた。

しばらくするとエル・フィリオンの座する玉座の正面にある扉が衛兵によって開かれた。全長5メートルほどもあるその大きな扉は音もなく開き、一人の男が入ってきた。

「カッシェル・ポーン、入ります」

その男は白いマントに身を包み、長髪を後ろで束ねている。端正な顔立ちだが、やや細めの眼光は鋭く、薄い唇は全てを皮肉るように常に右側が上がっている。

「お呼びですか?エル・フィリオン様」

カッシェルは玉座に続く赤いカーペットの中程で跪き、自分の膝に尋ねた。