19.
同時に憂弥の身体は青い光に包まれ、その光が徐々にその力を失いだしたとき、憂弥はタスクを纏っていた。
「こ、これがタスクか……軽いんだな」
その姿は全身を闇の様な黒で覆われ、胸部だけが燃えるように赤い。憂弥は早くもその部分から光線の発せられる事を、当然の事のように感じとっていた。両の拳にはアデプトと同じように黄色い光を放つ装置がある。そして左の二の腕には、下方に向けて細長い棒のような物が突き出ている。握りしめて引き抜くと青白い光を放つ剣が現れた。
「凄い……」
『それがタスクだ。やはり私の物とそっくりだ。その獲物を狙うような鋭い目も、全てが曲線を成す装甲も……ん、しかし、目が左目しか輝いていないが……どうだ、ちゃんと見えるのか?』
言われて憂弥は初め何の事だかわからなかったが、合点がいくと「あぁ、ちゃんと見えてる。でもどうしてだ?」と、もう一度辺りを見回して確認して、「まぁ、見えてるからいいか」
『よし。これでアデプトとも戦えるだろう。しかし、本当にすまない事をした。平和に暮らしていたお前を巻き込んでしまって……』
「ホントだよ、未だに何がどうなってこんな状況なのか、さっぱりわからん。とにかく、この場を生き延びたら詳しく説明してもらうからな」
『すまない……では、奴に見つかる前にレヴィ・ストーンについて話しておこう』
ブレークマンの声に焦りが感じられる。口調も早い。彼は自分に残された時間がわずかだということを、感じていた。
『はじめに渡した黒い宝石を持っているか?』
憂弥はポケットからレヴィ・ストーンを出す。
『そう、それだ。その宝石は神の石だ。私達の世界、ウォーリピアには二人の神が実在する。我が主ライナー・フルとエル・フィリオンだ。その神々の力の源といえるのがその宝石なのだ。その宝石のせいで二人の神は争い、ウォーリピアには長らく平和がなかった。まぁ、だからこそ、我々のようなレヴィア達が存在するのだが……』
ブレークマンは自嘲気味に語る。
『私は、その宝石を奪い逃げてきたのだ。戦の絶えない世界に嫌気がさした。これから先、お前を二人の神が狙う事となる。過酷な運命だ。しかし、お前にはこの世界の命運もかかっているのだ。それを忘れないで欲しい』
「え、どういう事だ?さっきは気付かなかったけど、何でこの世界にも関係してくるんだ。あんたの話じゃどうもその辺がわからないんだが……」
憂弥の問いかけに、ブレークマンは『すまない、それは……』とだけ言ったがそのまま彼の意識は薄れていってしまった。どうやら、彼の言っていた本当の別れが訪れたらしい。
(あんにゃろう、肝心な部分なんじゃねぇのか?今のとこ……)