17.
アデプトは再び右腕を憂弥に向けて伸ばした。その拳には黄色い光が今まさに溢れ出ようとしていた。
憂弥はじりじりと後ずさりしつつ考えていた。
(どうする?しらを切るか?…いや、こいつは確信している。俺がそのレヴィ・ストーンとかいうのを持っているって…)
しかし、銀色の甲冑の男は、今まさに憂弥を射抜かんと拳を構えている。
(どうする?逃げるか?)
そのとき、ブレークマンがいまわの際に残した言葉が不意によみがえった。
「二つの世界の未来を君に託す」
(!)
自分でも不思議だったが、憂弥はその言葉になぜか引っかかりを感じた。全てが夢のように現実味がなかったが、この言葉には真実の重みを感じた。
憂弥はアデプトを睨みつけ、「こいつはブレークマンが命がけで守ろうとした物だ。よくわかんないけど、あいつ、俺にこいつを渡して安心してた。その信用を裏切る事は…なんか抵抗あるんだよね」
「ふっ…馬鹿な。そのせいで命を落としてもか?」
「冗談。どっちも嫌だって事!!」
憂弥は声と同時に、足元に転がる破片を蹴り挙げ、アデプトが怯んだすきを見て逃げ出した。
(絶対逃げ切ってやる!)
それが憂弥の出した答だった。
「くぅ、味なマネを!貴様もブレークマンと同じように、地獄へ送ってやる!!」
アデプトは拳から再び光線を発し憂弥を攻撃したが、墓石の隙間をぬって逃げ回る憂弥をとらえる事は難しく、憂弥に隠れる暇を与えてしまった。
(さぁ、これからどうするかだ)