16.

(一体何だってんだ?何が起こったんだ?俺はどうすればいいんだ?)

憂弥が二つの宝石を握りしめたままふらふらと立ち上がると、またどこからともなく黄色い光線が襲いかかった。

追い立てられるようにその場を離れ、転がっている墓石の破片に足をとられながら、憂弥は逃げまどった。自分がなぜ追われているかもわからないまま、憂弥は逃げる事しかできなかった。

(くそっ、どうすりゃいいんだ?このままじゃ殺されちまう!)

光線に追われ、憂弥が破片に躓いて倒れたとき、上の方から声がした。

「見苦しいぞブレークマン。タスクを纏い、正々堂々と勝負しろ」

声の主は銀色の甲冑の男、閃光のアデプトだった。

「何だあんた?勘違いするな。ブレークマンは死んだ。俺は似てるだけの赤の他人だ」

憂弥はそう叫ぶと這いつくばって逃げだした。

「情けない。それがウォーリピア最強のレヴィア、ブレークマンの姿か?!」

アデプトは右手をのばし、憂弥の目の前に光線を放ち、行く手を塞いだ。

「うわっ!違うんだホントに。俺はブレークマンじゃない!」

「黙れ。見間違うものか。貴様は紛れもなく……ん、な、なるほど、確かに貴様は、私の知るブレークマンよりも少しばかり若く見えるが……しかし、貴様……」

一瞬アデプトの動きにすきができ、憂弥は立ち上がって「別人だ。あんた人違いをしてんだよ」と言って、体のホコリを払った。アデプトの方も戸惑っている様子で、憂弥は余裕を取り戻した。

「ブレークマンならたった今死んじまったよ。あっちの方でな」

アデプトは憂弥の指さす方を向き、やがてゆっくりと振り向いた。

「そうか……聞いた事がある。ウォーリピアと違う世界には、必ずもう一人の自分がいる、と。どうやらお前はブレークマンの影らしいな」

「あんたさっきから何言ってんの?ウォーリピアって何だよ?あんた誰だよ?」

憂弥の問いにアデプトは答える。その声は死者に向けて語るように冷たかった。

「私の名はフィルオン・アデプト。こことは違う世界、ウォーリピアからやって来た。我が主、ライナー・フルのレヴィ・ストーンを奪って逃げた、ブレークマンを追ってな」

一瞬、憂弥が身構えたのをアデプトは見逃さなかった。

「そうか、貴様が持っているんだな?さあよこせ!命が惜しかったらな」